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二酸化炭素(CO2)排出量とは|増加の原因や日本・世界の排出量を紹介

二酸化炭素は、地球温暖化の要因である温室効果ガスの一種です。二酸化炭素が増加するとどうなるのでしょうか?また、二酸化炭素はどの国・産業から排出されている量が多いのでしょうか?

この記事では、二酸化炭素排出量の増加がもたらす問題や日本・世界の排出量、企業が取り組むべきことなどを解説していきます。

GX検定監修者より

COP21で採択されたパリ協定では、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて 2℃ より十分低く保ち、1.5℃ に抑える努力をすることを世界共通の長期目標としました。目標を実現するためには、二酸化炭素(CO2)を削減する必要があり、各国はカーボンニュートラル目標を定めて推進しています。日本は着実に削減を進めており、GXをリードしているので、どのように削減しているのか着目していただけると幸いです。

二酸化炭素(CO2)排出量とは?

二酸化炭素(CO2)排出量とは、二酸化炭素が排出された量です。

二酸化炭素は、地球温暖化の原因となっている温室効果ガスの一種です。温室効果ガスには他にもメタンや一酸化二窒素などが含まれますが、中でも二酸化炭素が占める割合は高いとされています。

二酸化炭素排出量の測定方法

二酸化炭素排出量の測定方法は複数あります。中でも、国別の二酸化炭素排出量の測定に用いられている「生産ベースCO2排出」を紹介します。

これは、計器などを使って空中の二酸化炭素を測定するのではなく、ガソリン・電気・ガスなどの使用量といった経済統計などで用いられる「活動量」に、「排出係数」をかけ算して求められます。

計算方法は以下の通りです。

  • 二酸化炭素排出量=活動量×排出係数

「生産ベースCO2排出」はIPCC(気候変動に関する政府間パネル)によって標準化されているため、世界共通の測定方法です。

参考:CO2の排出量、どうやって測る?~“先進国vs新興国”|経済産業省 環境エネルギー庁

二酸化炭素の増加がもたらす問題

二酸化炭素が増加すると、以下のような問題が生じます。

  • 洪水・干ばつ
  • 食糧不足
  • 森林火災

それぞれ二酸化炭素がなぜ影響しているのか、どのような問題なのかを解説していきます。

洪水・干ばつ

二酸化炭素の増加によって、洪水・干ばつの問題が起きています。

二酸化炭素が増えて地球温暖化が進むと、海水の温度が上昇して、北極や南極の氷が溶けます。また、地球温暖化によって大気中の水蒸気が増加することで、降水量も増加します。この2つの要因により、洪水のリスクが高まるのです。洪水によって、住宅や農地、インフラが破壊されると、命にも危険が及びます。

一方で雨が少ない地域では、地球温暖化によって干ばつが発生しやすくなります。干ばつは、農業や飲料水供給、生態系に影響を及ぼし、社会的な生活ができなくなる恐れがあるでしょう。

食料不足

二酸化炭素の増加による地球温暖化の影響で、暑い日が続いたり、雨が多くなったりすると、農作物に大きな影響が及びます。

米や野菜などの農作物は、特定の気候の条件下で成長するものです。そのため、夏を過ぎても暑い時期が続いたり、降水量が多かったりすると、農作物は成長できません。

農作物の収穫量が減少して食料不足が起こると、食料の価格が上昇し、生活が困窮します。最悪の場合は、飢饉を引き起こしてしまうかもしれません。

森林火災

地球温暖化の影響により、森林火災も起こりえます。

一部の地域では、気温の上昇と降水量の減少によって、乾燥地域が拡大しています。その地域にある森林や草原は、火災を引き起こしやすくなります。なぜなら、乾燥した植物は火がつきやすく、火災を拡大させてしまうからです。

森林火災が起きると、そこに生息している生態系が破壊されたり、人間の住居を失ったりしてしまいます。実際に、オーストラリアでは何度も森林火災が起きており、生態系が破壊されていることは世界的な問題となっています。

二酸化炭素排出量が増加した主な要因

二酸化炭素排出量が増加した主な要因は、下記の2つです。

  • 化石燃料の大量消費
  • 森林面積の減少

化石燃料の大量消費

二酸化炭素排出量が増加した主な要因としてまず挙げられるのは、化石燃料を大量に消費するようになったことです。

産業革命以降、世界は化石燃料を主なエネルギー源として利用してきました。そもそも化石燃料とは、石炭や石油、天然ガスなどです。燃やすことでエネルギーが生み出される一方で、大量の二酸化炭素が排出されます。

日本では、現在でもエネルギーの多くを化石燃料に依存しています。そのため、テレビを見たり、エアコンをつけたり、あらゆる活動で化石燃料を消費し続けているのです。

森林面積の減少

森林面積の減少も、二酸化炭素排出量が増加した要因の一つです。

森林は、大気中の二酸化炭素を吸収して酸素を排出する光合成を行います。そのため、排出される量に応じた森林があれば、大気中の二酸化炭素をゼロにできます。

しかし、道路の建設や農地の拡大などによって森林が伐採され、森林面積は減少している状況です。森林が伐採されると、二酸化炭素を吸収できなくなるばかりでなく、これまで木々や植物に蓄えられていた二酸化炭素が放出されてしまいます。

日本の二酸化炭素排出量

環境庁のデータによると、2020年度の日本の二酸化炭素排出量は、10億4,400万トンとされています。これは前年度と比べて、6,370万トン(5.8%)減少しています。

ちなみに、温室効果ガスの排出量は11億4,900万トンです。温室効果ガスに占める二酸化炭素の割合が高いことがわかります。

何が多い?日本の二酸化炭素排出量の内訳

日本の二酸化炭素排出量の内訳は何が多いのでしょうか?ここでは、部門別に二酸化炭素排出量の内訳を紹介します。

<二酸化炭素の部門別排出量>

部門 2019年度排出量 2020年度排出量
産業部門(工場等) 279(25.2%) 252(24.1%)
運輸部門(自動車等) 198(17.9%) 177(17.0%)
業務その他部門(商業・サービス・事務所等) 63.7(5.7%) 60.3(5.8%)
家庭部門 53.4(4.8%) 55.8(5.3%)
エネルギー転換部門(発電所・製油所等) 434(39.2%) 422(40.4%)
工業プロセス及び製品の使用 45.0(4.1%) 42.7(4.1%)
廃棄物(売却等) 30.8(2.8%) 31.0(3.0%)
その他(間接CO2) 3.0(0.3%) 2.9(0.3%)
合計 1,108 1,044

単位:百万トン
引用:2020 年度(令和2年度)の温室効果ガス排出量(速報値1)について|環境庁

二酸化炭素の排出量がもっとも多い部門は、産業部門(工場等)であり、全体の約25%を占めます。次に多いのは運輸部門(自動車等)であり、全体の約18%にあたります。

世界各国の二酸化炭素排出量

次に、世界各国の二酸化炭素排出量をみていきましょう。二酸化炭素の排出量が多い順に紹介していきます。

<世界の二酸化炭素排出量>

順位 二酸化炭素排出量
1 中国 9,570.8
2 アメリカ 4,921.1
3 インド 2,307.8
4 ロシア 1,587
5 日本 1,080.7
6 ドイツ 696.1
7 韓国 605.8
8 イラン 579.6
9 カナダ 565.2
10 インドネシア 542.9

単位:百万トン
引用:世界の二酸化炭素排出量(2020年)|全国地球温暖化防止活動推進センター

世界で二酸化炭素の排出量が多いのは、中国、アメリカ、インドの順です。

二酸化炭素排出量の削減に向けて企業が取り組むべきこと

二酸化炭素排出量の削減に向けて企業が取り組むべきことは、主に次の3つです。

  • 省エネ活動
  • 再生可能エネルギーの活用
  • サプライチェーン全体への働きかけ

それぞれ解説していきます。

省エネ活動

二酸化炭素排出量削減に向けて企業が取り組めることは、省エネ活動です。

省エネ活動とは、企業が消費するエネルギーを減少させる取り組みです。例えば、オフィスの照明をLEDに切り替えたり、エネルギー消費量を抑えたエアコンを導入したりする方法があります。

省エネの取り組みを実施することで、二酸化炭素の排出量削減に直接的に貢献できます。また、電気の使用料が減少するため、コストの削減にも効果的です。

再生可能エネルギーの活用

再生可能エネルギーの活用も、二酸化炭素排出量の削減につながる取り組みです。

再生可能エネルギーとは、太陽光発電や風力発電など、発電時に二酸化炭素を排出しない発電方法です。近年では、自社で太陽光発電を導入し、工場やオフィスで発電した電気を利用する企業も増えてきました。

再生可能エネルギーを活用すれば、企業のカーボンフットプリントが大幅に削減されるメリットもあります。

サプライチェーン全体への働きかけ

企業単体で取り組むだけでなく、サプライチェーン全体へ働きかけることも重要です。

具体的な取り組み事例としては、サプライチェーン全体にガイドラインを設けたり、環境に優しい素材の導入を要求したりするなどが挙げられます。

サプライチェーン全体での二酸化炭素排出量の削減に取り組むことで、大幅な排出量削減が期待できるでしょう。

まとめ

この記事では、二酸化炭素排出量に関して、増加の原因や日本・世界の排出量、企業が取り組むべきことなどを紹介しました。

二酸化炭素排出量は、産業革命以降増加しています。そのため、企業は省エネや再生可能エネルギーの活用など、取り組むべきことが多々あります。

近年は、二酸化炭素排出量削減に取り組む企業を評価する仕組みが増えてきました。また、消費者も企業の環境への貢献度を注視するようになってきています。企業はできることから二酸化炭素の排出量削減に取り組んでいきましょう。

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GXメディア編集部
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GX人材育成サービス「スキルアップGreen」が運営するオウンドメディア、「GX DiG」の編集部です。GXやカーボンニュートラルに関する基礎知識やGX推進に役立つ人材育成に関する情報を日々発信していきます。今後もコンテンツはどんどん追加していきますので、GX関連の学びを深堀り(DiG)していきましょう。