【特集】カーボンニュートラルの海外事例まとめ vol.1
こんにちは。GXDiG編集担当です。
今回は特集として、海外の政策や企業事例、日本ではあまり知られていない国際的な取り組みから、テクノロジー、最新研究などを紹介する「カーボンニュートラルの海外事例」をお届けします。
今回のテーマは「AIとサステナビリティ」。事例収集をしているサステナビリティ推進担当の方や、企業の脱炭素の支援に関する事業をしている方などは、必見の内容です。
非財務情報の開示など、サステナビリティへの対応がより求められるようになった昨今。企業のGX、脱炭素化への取り組みがより本格的な段階へと入っていきます。
この機会に海外に目を向け、GXを深掘り（DiG）していきませんか？
それではスタートです！
AIを活用した自然災害へのリスク管理
気候変動の影響で天候の予測が難しくなっている中、サステナビリティへの対応として自然災害へのリスクを検討している方も多いのではないでしょうか。そんな中、近年、天気予報の精度を改善する AI モデルが続々登場しています。
天気予報 AI モデルの例
- ファーウェイ「パングー・ウェザー（Pangu-Weather）」
- 清華大学「ナウキャストネット（NowcastNet）」
- エヌビディアの「フォーキャストネット（FourcastNet）」
- ディープマインドの「グラフキャスト（GraphCast）」
上記のようなAIモデルは、異常気象をより正確に把握できることが期待されているため、自社の気候変動リスクの対応に一役買うかもしれません。
AIの国際サミットとCOP28
先ほどの例でも見ましたが、サステナビリティ関連の諸問題に対して、AI業界の動きにも注目が集まっています。2023年7月、スイスのジュネーブで開催された「AI for Good Global Summit」において、気候変動などの問題に対処するAIや機械学習のソリューションを提供するスタートアップ企業のコンテストが発表されました。
「AI for Good」では、SDGs達成のためにAIを活用した実用的なソリューションを取り上げています。
今回のコンテストの対象になった分野は、以下の3分野です。
- 水資源管理
- 食と気候変動を考慮した農業
- 5G ネットワークのエネルギー消費量の削減
優勝企業へは、COP28での授賞式参加の権利などが与えられます。一見、環境問題と遠いようなAIの分野でも、SDGs関連の取り組みと関連があることに驚いた方も多いのではないでしょうか。国際会議などの動向を把握することで、分野をまたいだサスティナビリティへの取り組み事情が見えてくることがあり、必見です。
参照ページ
https://aiforgood.itu.int/about-ai-for-good/aiml-solutions-for-climate-change/
脱炭素とくじらを活用した取り組み
くじらが、二酸化炭素の吸収に役立つことをご存じですか？クジラの排泄物は、それを好んで摂取する海洋中の植物プランクトンを増やします。植物プランクトンは光合成により二酸化炭素を吸収するため、くじらを保護することは、二酸化炭素の削減・吸収に一役買うことで知られています。
そんな中、アメリカのベニオフ海洋科学研究所が、クジラの監視システム「ホエール・セーフ」を開発しました。リアルタイムで近くの船に警告を発することで、船舶とクジラとの衝突を防止するシステムです。
くじらを保護することにより、多くの二酸化炭素を回収することが期待できるでしょう。
今回紹介したような船舶とクジラの衝突を防止するシステムに注目が集まっています。
参照ページ
https://www.weforum.org/videos/whale-safe-the-tech-that-can-prevent-ship-collisions-with-whales/
農業分野のグローバル AI 市場レポート 2023-2028
「Global Artificial Intelligence in Agriculture Markets Report 2023-2028」によると、農業市場におけるAI活用は、2023年の17億米ドルから2028年には47億米ドルに成長の予測（年平均成長率（CAGR）23.1 ％）があるとされています。
資料では、農業×AI市場が拡大した要因の1つとして、農場の生産性と収益性を向上のためドローン使用が増加したことがあげられています。
ドローン分析アプリの市場は、予測期間中に最高のCAGR（年平均成長率）を記録しており、農業分野においてAIやドローンの活用に需要が高まるでしょう。
参照ページ
https://finance.yahoo.com/news/global-artificial-intelligence-agriculture-markets-170000437.html
まとめ
サステナビリティの課題に対して、AIを活用したテクノロジーのソリューションに注目が集まっています。ぜひこの機会に、海外の国際的な取り組みや技術動向を押さえてみてはいかがでしょうか。
