政府

COPとは|歴史やパリ協定との関係などポイントをわかりやすく解説

COPとは何かご存知でしょうか?締約国会議の略であり、地球温暖化問題の解決に向けて開催される会議です。COPで採択された内容を把握すれば、地球温暖化問題の解決に向けた世界の指針や取り組み内容を理解できるでしょう。

この記事では、COPの目的や歴史、押さえておくべきCOPについて紹介します。COPの中でも重要なパリ協定との関連性も解説するので、ぜひ参考にしてください。

COPとは?

COPとは、「Conference of the Parties(締約国会議)」の略であり、条約を結んだ国々による会議という意味です。COPは、さまざまな条約ごとに開催されています。

COPの中でもよく耳にするのが、「気候変動枠組条約」に基づくCOPです。そしてこの記事では、「気候変動枠組条約」に基づくCOP、つまり地球温暖化問題について協議するCOPについて紹介していきます。

正式名称は「国連気候変動枠組条約締約国会議」です。「気候変動枠組条約」の加盟国が集まり、地球温暖化の対策について話し合います。

第1回は、1995年にドイツで開催されました。以降は毎年1回開催されており、2023年で28回目の開催を迎えます。(2020年のみ新型コロナウイルスの影響で中止)

COPの参加者

COPの参加国は、「気候変動枠組条約」の加盟国です。本条約は、1992年の地球サミットで採択されました。具体的には、197カ国・地域が参加しています。

主な参加者は、政府関係者や国連関係者、専門機関・国際機関の関係者などです。政府関係者だけでなく産業界や専門家などが集っていることから、あらゆる組織が環境問題に取り組むことの必要性が伺えます。

COPの目的

COPの目的は、地球温暖化問題の解決です。大気中の温室効果ガスを一定基準に保つことを目指して、温室効果ガスの削減対策などのルールを協議します。

参加国には、温室効果ガスの排出目標の設定や実績の報告が求められます。また、先進国は発展途上国に対して、資金提供や技術移転の推進をしなければなりません。これは、「先進国は発展途上国に比べて重い責任を追うべきである」という考え方に基づいています。

このように、参加国が互いに協力し合い、地球温暖化問題の解決を目指しています。

COPの歴史

COPは2023年で28回目の開催を迎えます。これまでのCOPの歴史の中から、代表的なCOPを紹介します。

会合 開催年 開催場所 主な内容
COP3 1997年 日本(京都)
  • 先進国の温室効果ガス排出量に関して、法的拘束力のある数値目標を各国毎に設定する(途上国は対象外)
COP15 2009年 デンマーク(コペンハーゲン)
  • 産業革命以前からの気温上昇を2℃以内に抑えるため、地球全体の排出量の大幅削減の必要性に同意する
  • 先進国は発展途上国に資金援助をする
COP21 2015年 フランス(パリ)
  • 世界共通の長期目標として2℃目標を設定
  • 全ての国が削減目標を5年ごとに提出・更新する
COP26 2021年 イギリス(グラスゴー)
  • 2100年の世界平均気温の上昇を産業革命以前の1.5℃以内に抑える目標を設定
  • パリ協定の実施指針(ルールブック)に合意する
COP28 2023年 アラブ首長国連邦(ドバイ) 2023年11月30日〜12月12日で開催予定

押さえておくべき代表的なCOPの内容

2023年8月現在、27回開催されたCOP。この中から、押さえておくべき代表的なCOPを3つ紹介します。それぞれ議題や決定した内容などを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

COP3

COP3は、1997年に京都(日本)で開催されました。COP3で採択された「京都議定書」は、地球温暖化問題解決への大きな一歩とされています。

京都議定書では、1990年の排出量を基準に2008年から2012年の間に温室効果ガスの排出量を平均で約5.2%削減することが目標とされました。(日本の目標は6%)

ただし、京都議定書には問題点がありました。それは、発展途上国に対する具体的な削減目標が設けられなかったことです。そのため、中国やインドなど、日本よりもCO2の排出量が多い国への拘束力がなく、不公平感がありました。

COP15

COP15は、2019年にコペンハーゲン(デンマーク)で開催されました。京都議定書の不公平感を解消することが望まれていましたが、最終的な合意は非常に難航しました。

COP15において、「コペンハーゲン合意」が採択。内容は産業革命以前と比べて気温上昇を2℃以下に抑えることや、先進国による途上国の支援などでした。

具体的な削減目標はないものの、多くの国々は独自の取り組みを強化する結果となりました。

COP21

COP21は、2015年にパリ(フランス)で開催されました。本会議で採択された「パリ協定」は、全ての参加国が同意したことで大きな注目を集めました。

パリ協定では、「地球の気温上昇を産業革命前の水準に比べて2℃以下に抑えることを目標とし、さらに1.5℃以下に抑えるように努力すること」が合意されました。また、参加国は5年ごとにCO2の削減目標を提出・更新することが義務付けられています。

このパリ協定がきっかけとなり、日本では2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」の実現が宣言されました。

【近年の注目COP】COP26のポイントは?

COP26は、2021年にグラスゴー(イギリス)で開催されました。現状のままではパリ協定の1.5℃の達成が難しい状況であることから、どのような結論が出るのか注目されていました。

結果、COP26で合意した内容は「グラスゴー気候合意」としてまとめられ、1.5℃を目標にすることが明記されました。2°Cよりもさらに達成難度の高い1.5℃目標で合意されたことは、地球温暖化問題の解決に向けて大きな意味を持ちます。

ただし現状のままでは目標達成が困難なため、各国は2030年までの温室効果ガスの排出目標を見直すことが求められました。

まとめ

この記事では、COPの目的や歴史、押さえておくべき代表的なCOPについて紹介しました。COPとは、地球温暖化問題の解決を目標として開催される国際会議です。その中でもCOP3やCOP21は大きな転換期であり、それぞれ「京都議定書」と「パリ協定」が採択されました。

そして近年のCOP26では、目標が明確化され、各国は具体的な対策の策定と実行が求められました。日本ではこの目標に基づき、再生可能エネルギーへの転換や森林保全活動を急いでいます。

具体的な取り組みなどは、下記の記事でも紹介しています。ぜひ参考にして、COPやカーボンニュートラル、地球温暖化問題への理解を深めてください。

カーボンニュートラルとは|意味や企業の取り組み、推進するメリットをわかりやすく解説

GX検定ベーシック 試験申し込み受付中GX検定ベーシック 試験申し込み受付中
スキルアップNeXt Facebookグループ GX勉強会スキルアップNeXt Facebookグループ GX勉強会
スキルアップNeXtのメールマガジンでは会社のお知らせや講座に関するお得な情報を配信しています。
メールマガジンに登録する

また、SNSでもGXに関するさまざまなコンテンツをお届けしています。興味を持った方は是非チェックしてください♪
  • Twitter
  • Facebook
  • LinkedIn
  • トップ
  • コラム
  • COPとは|歴史やパリ協定との関係などポイントをわかりやすく解説