再生可能エネルギーとは?種類や特徴、メリット・デメリットを解説
再生可能エネルギーとは具体的にどのような定義なのでしょうか?また、どのエネルギーが含まれるのでしょうか?
この記事では、再生可能エネルギーとは何かを説明した上で、再生可能エネルギーの種類や特徴、メリット・デメリットを解説していきます。再生可能エネルギーについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
再生可能エネルギーとは
再生可能エネルギーとは、枯渇せず比較的短い期間に再生が可能で、繰り返し使えるエネルギーのことです。
主な再生可能エネルギーとしては、下記が挙げられます。
- 太陽光エネルギー
- 風力エネルギー
- 水力エネルギー
- 地熱エネルギー
- バイオマスエネルギー
再生可能エネルギーのほとんどは、石油や石炭などの化石エネルギーと違い、発電時にCO2を排出しません。世界全体でCO2の排出量削減を目指す中、再生可能エネルギーは大きな注目を集めています。
自然エネルギーとの違い
自然エネルギーとは、再生可能エネルギーのうち、自然界から常に得られるエネルギーのことです。具体的には、太陽光や風力、地熱などが挙げられます。つまり、自然エネルギーは再生可能エネルギーに内包されています。
再生可能エネルギーを活用するメリット
再生可能エネルギーを利用するメリットを5つ紹介します。
エネルギーが枯渇しない
再生可能エネルギーは、自然界に常に存在するエネルギーのことです。そのため、エネルギーを枯渇させることなく永続的に利用できます。
一方で、日本が依存している化石燃料は、エネルギーの枯渇が問題視されています。今後、石油と天然ガスは約50年、石炭とウランは約130年で無くなることが予測されているのです。
つまり、再生可能エネルギーを主なエネルギー源として利用できれば、エネルギー枯渇の問題は解決できるでしょう。
非常時・災害時のエネルギーを確保できる
再生可能エネルギーの多くは、常に自然界に存在するエネルギーです。例えば、太陽光発電は、太陽光があれば発電できます。そのため、非常時や災害時に発電所からの電力供給がストップしたとしても、エネルギーを確保できるのです。
実際に、2011年の東日本大震災では太陽光発電が活躍しました。多くの人々が家庭用太陽光発電によって発電された電気を使用して、スマートフォンを充電したり、料理をしたりして、生活を続けられました。
温室効果ガスの排出が少ない
再生可能エネルギーのメリットは、温室効果ガスの排出が少ない点です。温室効果ガスは、一定の量であれば地球を適温に保ってくれる役割を果たしてくれます。しかし、産業革命以降大量のCO2を排出したために、地球温暖化という問題が生じているのです。
太陽光発電や風力発電は、発電時に温室効果ガスを排出しません。そのため、再生可能エネルギーを普及させることで温室効果ガスを大幅に減らし、地球温暖化問題の解決に大きく近づけるでしょう。
地域活性化につながる
再生可能エネルギーは地域活性化にもつながります。再生可能エネルギーは、太陽光や風力などの自然エネルギーがあれば、都市部でなくても事業を始められます。むしろ、都市部は土地の価格が高いため、地方の方が収益を得やすいです。
再生可能エネルギーの発電施設を建設・運用する場合、新たな雇用を創出します。雇用が増えるとその地域でお金が生み出され、地域活性化につながっていくでしょう。
放射性廃棄物や有害物質が発生しない
再生可能エネルギーは、放射性廃棄物や有害物質が発生しません。そのため、環境や人の健康に対するリスクが低く、安全に利用できます。
一方で、核エネルギーの利用には放射性廃棄物、化石燃料には有害物質の問題が伴います。それらのリスクなく利用できる再生可能エネルギーは、安全性の観点からも重宝されているのです。
再生可能エネルギーを活用するデメリット
再生可能エネルギーを利用するデメリットを3つ紹介していきます。
導入や発電のコストが高い
再生可能エネルギーは、導入や発電のコストが高いです。なぜなら、太陽光発電や風力発電は比較的新しい技術であるため、火力発電のように大規模な運用が難しく、導入費用が高いなどの理由があるからです。
実際に、エネルギー資源庁のデータによると、発電方法別の発電コストは下記の通りです。
- 火力発電:10.7円/kWh
- 太陽光発電:17.7円/kWh
- 風力発電:30.0円/kWh
火力発電と比べて、現段階の技術では導入や発電のコストが高くなっています。
参考:電気をつくるには、どんなコストがかかる?|経済産業省 資源エネルギー庁
天候などによって発電量が変化する
天候によって発電量が変化する点も、再生可能エネルギーのデメリットとして挙げられます。例えば太陽光発電の場合、雨が降ると発電量は晴天時の1/5〜1/20程度に減少してしまうのです。
このデメリットを解消するために、VPP(バーチャルパワープラント)という電力の需給バランスを管理するシステムの実用化が進められています。
変換効率に課題がある
多くの再生可能エネルギーは、発電効率も課題となっています。再生可能エネルギーごとの発電効率は、下記の通りです。
- 火力発電:35~43%
- 風力発電:25%
- 太陽光発電:10%
- 地熱発電:8%
エネルギー源が枯渇しない点は大きなメリットですが、発電効率に課題があることから再生可能エネルギーの主力化は難しいとされています。この課題を解決するために、日々技術革新が進められています。
再生可能エネルギーを使った発電方法の種類・特徴
再生可能エネルギーを使った発電方法には、主に次の5種類があります。
- 太陽光発電
- 風力発電
- 水力発電
- 地熱発電
- バイオマス発電
それぞれの特徴について見ていきましょう。
太陽光発電
太陽光発電は、太陽光を利用して発電します。シリコン半導体に太陽光を当てることで発電する仕組みです。ビルや住宅の屋根、空き地などのデットスペースを活用できる特徴があります。
2022年度の日本全体の年間電力需要量のうち、太陽光発電の割合は9.6%です。政府は太陽光発電の普及を後押ししており、この割合は年々増えています。
風力発電
風力発電は、風力で風車を回すことで発電します。大規模な運用が可能であり、他の再生可能エネルギーと比較して発電効率が良いのが特徴です。
2022年度の日本全体の年間電力需要量のうち、風力発電の割合は1.0%です。導入コストが高いため、なかなか普及が進んでいない状況です。
水力発電
水力発電は、落下する水の勢いで風車を回し発電します。天候や気候に関係なく、安定して発電できるのが特徴です。
2022年度の日本全体の年間電力需要量のうち、水力発電は7.7%を占めています。発電効率が高いダムへの導入はほぼ完了したため、今後は中小規模の水力発電の導入が進められていく予定です。
地熱発電
地熱発電は、マグマの熱によって発生する水蒸気を利用して発電します。昼夜や天候などに影響されずに発電できるのが特徴です。
2022年度の日本全体の年間電力需要量のうち、地熱発電が占める割合は0.25%です。日本の火山の多くは国立公園内にあるため、現状では地熱発電所の建設が難しいとされています。
バイオマス発電
バイオマス発電は、家畜の糞尿や木材といった廃棄物を燃焼、ガス化することで発電します。火力発電の一種ですが、バイオマス燃料が燃焼時に排出するのと同量のCO2を吸収しているため、再生可能エネルギーといえます。
2022年度の日本全体の年間電力需要量のうち、バイオマス発電が占める割合は1.9%でした。
再生可能エネルギーの必要性
再生可能エネルギーの必要性は、非常に高いです。その理由は、地球温暖化とエネルギーの枯渇という2つの問題を解決できるからです。
再生可能エネルギーは発電時にCO2を排出しないため、化石燃料に取って代わることで環境への負荷を軽減できます。また、自然にあるエネルギーを活用しているため、半永久的に利用できます。
これらの理由から、再生可能エネルギーの必要性は高いといえるでしょう。日本だけでなく、世界全体で再生可能エネルギーの普及を促す取り組みが進められています。
まとめ
この記事では、再生可能エネルギーとは何かを説明した上で、種類や特徴、メリット・デメリットなどを解説しました。
再生可能エネルギーには、CO2を排出しない、半永久的に利用できるなどの特徴があります。そのため、再生可能エネルギーを主力化することで、地球温暖化やエネルギーの枯渇などの問題解決に近づけるのです。
再生可能エネルギーの主力化に向けては、多くの課題があります。しかし、技術の進歩によって、少しずつ改善されていくでしょう。
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