サステナビリティ推進室とは?役割や0からの立ち上げに必要なポイントを解説
近年、多くの企業がサステナビリティ推進室を設置し、その取り組みをホームページに掲載する企業が増えています。
そんな中、以下のような疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
「サステナビリティ推進室とはそもそも何?」
「なぜサステナビリティ推進室が必要なの?」
「他社の事例は出てくるけど、自社での立ち上げ方が分からない」
そこで本記事では、サステナビリティ推進室の概要を説明したうえで、サステナビリティ推進体制の役割や立ち上げる際のポイントを解説します。
図解入りでより詳しいサステナビリティ推進体制の作り方を知りたい方は、GXDiG運営元であるスキルアップGreenが作成した「これから始める、GX・SX推進体制の作り方」をダウンロードの上、ご活用ください。
こちらの資料では以下を解説しているので、企業のGX推進の進め方や考え方をベースに、企業のサステナビリティ推進体制について理解することができます。
- これからGXを始める企業が抱える課題
- 企業におけるGXとは
- GX推進に必要なタスクと考え方
- 最小構成からのスタート
- 理想的なGX・SX推進体制
サステナビリティ推進室とは何か?
サステナビリティ推進室とは、企業や組織が持続可能な事業活動を推進するために設置する専門部署のことです。企業により、名称やその役割の範囲は異なっています。具体的には、会社全体のサステナビリティ推進を行うために、戦略の立案や排出量削減の対策、情報開示や報告など幅広い範囲を対応します。
企業がサステナビリティ推進室を設けている理由は、企業全体のサステナビリティ推進の対応を統括するためです。ESG投資の活発化や上場企業に対する非財務情報開示が義務化などが実施されたことで、二酸化炭素を排出している部門だけではなく、企業全体としてのサステナビリティの取り組みが評価されるようになりました。
サステナビリティ推進体制の役割
出典:「これから始める、GX・SX推進体制の作り方」より一部改変
そのため企業のサステナビリティ推進は、いくつかの部署に分かれて対応することがあります。上の図は、2024年時点の先進的な取り組みを示す企業のGX・サステナビリティ推進体制の概要を表した図です。ここでは以下の内容についてそれぞれ解説していきます。
- サステナビリティ委員会
- サステナビリティ推進室
- 各事業本部・部門・グループ会社のGX担当
サステナビリティ委員会
サステナビリティ委員会とは、サステナビリティ案件を経営レベルで迅速に判断し、対策の立案と実行を主導していく部門です。サステナビリティ委員会は、一連の活動を取締役会に報告し、その指示をサステナビリティ推進に反映していく役割が求められます。
サステナビリティ推進室
企業に必要なサステナビリティに関する戦略を提案する部門を指すことが多く、サステナビリティに取り組んでいる数多くの企業が設置している部門です。企業や業界により対応する範囲は異なりますが、主に以下の内容に取り組みます。
- 国際的なトレンドの分析
- 新規サステナ戦略の提案
- GHG排出削減対策
- TCFD推進
- サステナビリティポートフォリオ
- サステナビリティプロキュアメント
- ダイバーシティインクルージョン etc..
体制の整った企業では、上記に対応できる専門性の高いメンバーを配置し、企業全体の方向性を打ち出します。
各事業本部・部門・グループ会社のGX担当
事業に関係するGHG排出量算定に必要なデータ収集や、省エネ、現場目線での排出量削減アイディアの創出など、事業に直結する活動が求められる部門を指します。そのため、サステナビリティ推進部との密な連携が求められます。
総務・IR部
サステナビリティ推進の文脈では、主に社内外への情報開示や報告を行う役割が求められます。また、サステナビリティに取り組み初めの段階では、排出量開示への対応を求められることが多いため、総務・IR部門が一時的なサステナビリティ推進室の役割を担うことがあります。
そのため、初期段階では推進体制の構築の検討をこの部署が行うこともあり、GXやサステナビリティ関連の知識の習得が求められます。
0からサステナビリティ推進室を立ち上げるためには
では、上記のような推進体制をこれから構築する人は、どのようなポイントを押さえる必要があるのでしょうか。ここでは、GX・サステナビリティ推進体制の初期段階における考え方を押さえます。
①知識・リテラシーを身に付ける
取り組み初めの段階では、サステナビリティやGXに関する共通認識がないことが多く、様々なステークホルダーと連携してサステナビリティ推進を進めるに当たり、障害となることがあります。
そのため、用語の定義や背景知識は押さえておくことが求められます。
また最近は、サステナビリティ推進にとってインセンティブとなる政策の他、カーボンプライシング等のペナルティと見なされる政策も増えてきています。国内外の動向や政策をリテラシーとして押さえておくことで、推進体制を構築する上でのタイミングをイメージすることができるでしょう。
②社会課題と自社への影響を把握する
自社でサステナビリティを推進する目的や背景を明確化するために、現在の社会課題と自社への影響を分析するとよいでしょう。具体的には、気候変動による自然災害が自社の事業活動にリスクがあると判明した場合、自社が取るべき対応として、温室効果ガスや電力量の削減などが求められます。このように現実の社会課題や自社への影響を分析することで、サステナビリティ推進の方向性が見えてきます。
③マテリアリティを特定する
マテリアリティとは、企業や組織にとっての「重要課題」を意味する用語で、分析した社会課題の中で最も自社に影響のある要素を特定することが求められます。これがサステナビリティ推進のある種の軸となり、非財務情報という形で投資家などの外部関係者に対して情報を開示していく必要があります。
④社内外のステークホルダーとの連携
サステナビリティ推進では、社内外との関係各所と連携の上、進めていくことが求められます。具体的には、取引先や投資家などから理解・協力の元に進めていくことが重要です。
特に初期段階においては、自社がサステナビリティ推進を始める理由やその重要性を、社内で周知・認知させることが求められます。
まとめ
本記事では、サステナビリティ推進室の概要から、GX・サステナビリティ推進体制の役割、0から推進体制を構築するためのポイントを解説していきました。
図解入りの資料でより詳しく知りたい方は、スキルアップGreenが作成した「これから始める、GX・SX推進体制の作り方」をダウンロードし、ご活用ください。
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