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SDGsとは?17の目標をわかりやすく解説!5つのPや企業事例も紹介

サステナビリティ(Sustainability)やSDGs(エスディージーズ)という言葉を耳にすることが増えました。ニュースでは、自治体や企業がSDGsに取り組む姿を、積極的に発信しています。

しかしSDGsの具体的な目標といっても、よく知らないという企業担当の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回はSDGsの17の目標やSDGsの沿革、より理解を深めるために必要な「5つのP」の知識など、SDGsについて網羅的にわかりやすく解説します。日本や企業の取組事例もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

<目次>

  1. SDGs(エスディージーズ)とは
    1. SDGs(エスディージーズ)とは「持続可能な開発目標」のこと
    2. SDGs(エスディージーズ)の沿革
  2. SDGs(エスディージーズ)17の目標
    1. 目標1.貧困をなくそう
    2. 目標2.飢餓をゼロに
    3. 目標3.すべての人に健康と福祉を
    4. 目標4.質の高い教育をみんなに
    5. 目標5.ジェンダー平等を実現しよう
    6. 目標6.安全な水とトイレを世界中に
    7. 目標7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
    8. 目標8.働きがいも経済成長も
    9. 目標9.産業と技術革新の基盤をつくろう
    10. 目標10.人や国の不平等をなくそう
    11. 目標11.住み続けられるまちづくりを
    12. 目標12.つくる責任 つかう責任
    13. 目標13.気候変動に具体的な対策を
    14. 目標14.海の豊かさを守ろう
    15. 目標15.陸の豊かさを守ろう
    16. 目標16.平和と公正をすべての人に
    17. 目標17.パートナーシップで目標を達成しよう
  3. SDGs(エスディージーズ)を理解するための2つの視点
    1. 「5つのP」の視点からSDGsを捉える
    2. Prosperity(繁栄・豊かさ)
    3. Peace(平和)
    4. ウェディングケーキモデルの視点からSDGsを捉える
    5. 経済圏
    6. 社会圏
    7. 生物圏
  4. SDGs(エスディージーズ)に取り組むメリット
    1. 環境への貢献で企業の社会的地位が向上
    2. ステークホルダーとの信頼感がアップ
    3. ESG投資に有利
  5. 日本や企業のSDGs(エスディージーズ)への取り組み
    1. ジャパンSDGs(エスディージーズ)アワード
    2. 国際協力事例
    3. 企業の取組事例
  6. まとめ

>>>「企業が採用すべき持続可能なビジネスモデルをダウンロードする」

SDGs(エスディージーズ)とは

SDGsとは、2015年の国連総会で全会一致で採択された「我々の世界を変革する持続可能な開発のための2030アジェンダ」という文書の一部をいいます。ここでは概要や沿革を解説していきます。

SDGs(エスディージーズ)とは「持続可能な開発目標」のこと

SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略で日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。「環境問題」や「人権問題」など世界共通の課題を掲げ、17のゴールと169のターゲットから構成されており、2030年までの達成が目標です。ターゲットとは17の目標をより具体的に実践するための指標になります。

つまりSDGsは、サステナビリティ(Sustainability)な世界構築のための、問題解決ナビゲーションといえるでしょう。

SDGs(エスディージーズ)の沿革

ここではSDGsの沿革を簡単にご紹介します。

年代 事象
1972年 :「成長の限界」への警備 急速な経済成長で人口増加や環境汚染が続くと、あと100年で地球は限界に達するというローマクラブが警鐘を鳴らす。
1980年代 :「持続可能性」の概念が登場 「持続可能性」という概念が「世界自然資源保全戦略」で、初めて公式に使用される。
1992年:歴史的転換点「アジェンダ21」が採択 「地球サミット(リオサミット)」では、持続可能な開発における歴史的転換となる「リオ宣言」がなされる。
1997年:「京都議定書」採択 京都議定書が採択され、地球温暖化対策の世界的な協調取り組みが開始される。
2000年 ミレニアム開発目標「MDGs」を発表 国連は開発途上国の課題を解決するために、国際開発目標を統合したミレニアム開発目標「MDGs」をまとめる。
2015年 誰ひとり取り残さないための目標「SDGs」誕生 持続可能な世界の実現を目指して、2030年までに達成すべき 持続可能な開発目標、「SDGs」が生まれた。

SDGs(エスディージーズ)の前身「MDGs(ミレニアム開発目標)」

ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)は、開発途上国の課題を解決するために掲げられた国際社会共通の目標です。8つのゴールと21のターゲットで構成されており、2000年9月の国連ミレニアム・サミットで採択されました。MDGsは一定の成果をあげることに成功し、SDGsの前身となりました。

SDGs(エスディージーズ)のロゴマーク

SDGs紹介でよくみられるドーナツ型のカラフルなロゴは「SDGsカラーホイール」で、17の目標のカラーが施されたアイコンです。SDGsのロゴマークやアイコンは、国際連合広報センターにガイドラインがあります。

出典:SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン(国際連合広報センター)

SDGsについてはこちらの記事もぜひご覧ください。

>>>SDGsを身近な例で解説!日常生活で始める持続可能な未来づくり

SDGs(エスディージーズ)17の目標

ここからはSDGs17の目標を、それぞれわかりやすくご紹介していきます。

目標1.貧困をなくそう

「あらゆる場所のあらゆる貧困を終わらせる」ことがテーマで、7つのターゲットがあります。「国際貧困ライン」に当てはまる人々は世界中に多数存在し、特に開発途上国における子どもの貧困は大きな課題です。このような貧困の連鎖を断ち切るための努力を掲げています。

  • ターゲット例

1.1 2030年までに、世界中で「極度に貧しい」暮らしをしている人をなくす。
1.2 2030年までに、それぞれの国の基準でいろいろな面で「貧しい」とされる男性、女性、子どもの割合を少なくとも半分減らす。

目標2.飢餓をゼロに

「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を推進する」ことがテーマです。全ての人に栄養のある食料を行き渡らせるとともに、食糧確保のために環境破壊を行わない持続可能な農業の在り方を目指します。8つのターゲットがあります。

  • ターゲット例

2.1 2030年までに、飢えをなくし、貧しい人も、幼い子どもも、だれもが一年中安全で栄養のある食料を、十分に手に入れられるようにする。
2.4 2030年までに、食料の生産性と生産量を増やし、同時に、生態系を守り、気候変動や干ばつ、洪水などの災害にも強く、土壌を豊かにしていくような、持続可能な食料生産の仕組みをつくり、何か起きてもすぐに回復できるような農業を行う。

目標3.すべての人に健康と福祉を

「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」ことがテーマで、13のターゲットがあります。世界保健機構では「肉体的にも精神的にも、そして社会的にも満たされた状態」を健康であると定義しています。そのためにはあらゆる人々が、社会的な支援や福を受けられるようにすることが重要です。

  • ターゲット例

3.1 2030年までに、赤ちゃんがおなかの中にいるときや、お産のときに、命を失ってしまうお母さんを、2030年までに、産まれる赤ちゃん10万人あたり70人未満まで減らす。
3.3 2030年までに、エイズ、結核、マラリアや、これまで見放されてきた熱帯病などの伝染病をなくす。また、肝炎や、汚れた水が原因で起こる病気などへの対策をすすめる。

目標4.質の高い教育をみんなに

「すべての人に包摂的かつ公正な質の高い 教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」ことがテーマで、10のターゲットがあります。サハラ以南のアフリカ地域では、5人に1人の子どもが小学校に通えていません。すべての子どもたちが平等に教育を受ける権利が保障されるように環境を整えなくてはいけません。

  • ターゲット例

4.1 2030年までに、男の子も女の子も、すべての子どもが、しっかり学ぶことのできる、公平で質の高い教育を無料で受け、小学校と中学校を卒業できるようにする。
4.6 2030年までに、すべての若者や大半のおとなが、男女ともに、読み書きや計算ができるようにする。

目標5.ジェンダー平等を実現しよう

「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを行う」がテーマで9つのターゲットがあります。ジェンダーとは男女の社会的な役割を意味します。世界には年間1200万の女性が18歳未満で結婚させられる児童婚問題や、男女の賃金格差や社会的地位など解決すべき課題が存在します。

  • ターゲット例

5.1 すべての女性と女の子に対するあらゆる差別をなくす。
5.6 国際的な会議で決まったことにしたがって、世界中だれもが同じように、性に関することや子どもを産むことに関する健康と権利が守られるようにする。

目標6.安全な水とトイレを世界中に

「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」ことがテーマで、8つのターゲットがあります。世界には清潔な水道水やトイレがなく、不衛生な地域が存在します。感染症などを引き起こさないためにも、すべての人が安全で清潔な水やトイレを使用できる環境を整える必要があります。

  • ターゲット例

6.1 2030年までに、だれもが安全な水を、安い値段で利用できるようにする。
6.4 2030年までに、今よりもはるかに効率よく水を使えるようにし、淡水を持続可能な形で利用し、水不足で苦しむ人の数を大きく減らす。

目標7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに

「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」がテーマで、5つのターゲットです。「SDGs報告 2023」の報告によると、世界で電力を使えない人は6億7500万人存在し、また化石燃料は多大な温室効果ガスを排出しています。すべての人々に電気を行き渡らせ、さらにクリーンなエネルギーの普及が急務なのです。

  • ターゲット例

7.1 2030年までに、だれもが、安い値段で、安定的で現代的なエネルギーを使えるようにする。
7.2 2030年までに、エネルギーをつくる方法のうち、再生可能エネルギーを使う方法の割合を大きく増やす。

目標8.働きがいも経済成長も

「包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する」がテーマで、12のターゲットがあります。持続可能な社会では、すべての人が人間らしい働きがいのある仕事につくことが望まれます。

  • ターゲット例

8.1 それぞれの国の状況に応じて、人びとが経済的に豊かになっていけるようにする。開発途上国、特に最も開発が遅れている国は、毎年少なくとも年7%の国内総生産(GDP)の成長を続けられるようにする。
8.9 2030年までに、地方の文化や産品を広め、働く場所をつくりだす持続可能な観光業を、政策をつくり、実施していく。

目標9.産業と技術革新の基盤をつくろう

「強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る」ことがテーマで8つのターゲットです。経済発展と福祉の観点から安価で公正なインフラが必要です。また気候変動に対応可能なレジリエンスなインフラが求められます。

  • ターゲット例

9.1 すべての人のために、安くて公平に使えることを重視した経済発展と福祉を進めていけるように、質が高く、信頼でき、持続可能な、災害などにも強いインフラをつくる。それには、地域のインフラや国を越えたインフラも含む。
9.3 特に開発途上国の規模の小さな工場や会社が、安く資金を借りるなどの金融サービスをより利用できるようにし、モノやサービスの流れやその市場に、より広く組み込まれるようにする。

目標10.人や国の不平等をなくそう

「国内及び各国家間の不平等を是正する 」がテーマであり、10のターゲットがあります。すべての人々に平等なチャンスを与え、先進国だけではなく、開発途上国も豊かになるためには国際的な支援や公正なシステムの運用を行う必要があります。

  • ターゲット例

10.1 2030年までに、各国のなかで所得の低いほうから40%の人びとの所得の増え方が、国全体の平均を上回るようにして、そのペースを保つ。
10.5 世界の金融市場と金融機関に対するルールと、ルールが守られているか監視するシステムをより良いものにして、ルールが、よりしっかりと実行されるようにする。

目標11.住み続けられるまちづくりを

「包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」をテーマとし、10のターゲットがあります。世界の都市に住む人口は2030年には50億を超えると予想されています。低所得者が集まる地域のスラム化も課題です。あらゆる人々が長期的に快適な生活を送れる住環境を整えることが持続可能な社会の姿です。

  • ターゲット例

11.1 2030年までに、すべての人が、住むのに十分で安全な家に、安い値段で住むことができ、基本的なサービスが使えるようにし、都市の貧しい人びとが住む地域(スラム)の状況をよくする。
11.3 2030年までに、だれも取り残さない持続可能なまちづくりをすすめる。すべての国で、だれもが参加できる形で持続可能なまちづくりを計画し実行できるような能力を高める。

目標12.つくる責任 つかう責任

「持続可能な消費生産形態を確保する」ことがテーマで、11のターゲットです。世界で生産されている食品の約3分の1(13億トン)は、廃棄されているのをご存じですか。またファストファッションで廃棄された多くの服は、砂漠地帯に捨てられています。大量生産大量消費を改め、資源を無駄にせず再利用するなどの責任ある行動が望まれます。

  • ターゲット例

12.1 持続可能な消費と生産の10年計画※を実行する。先進国がリーダーとなり、開発途上国の開発の状況や対応力も考えに入れながら、すべての国が行動する。
12.5 2030年までに、ごみが出ることを防いだり、減らしたり、リサイクル・リユースをして、ごみの発生する量を大きく減らす。

目標13.気候変動に具体的な対策を

「気候変動及びその影響を軽減するための 緊急対策を講じる」ことがテーマで、5つのターゲットを提示しています。「気候変動における災害や自然災害が発生した際に適切な対応を国は取る」などの達成の目標と、「開発途上国が気候変動のスピードをゆるめるための行動を取れるよう先進国が協力する」などの具体的な方法が示されています。

  • ターゲット例

13.1 気候に関する災害や自然災害が起きたときに、対応したり立ち直ったりできるような力を、すべての国でそなえる。
13.2 気候変動への対応を、それぞれの国が、国の政策や、戦略、計画に入れる。

目標14.海の豊かさを守ろう

「持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」をテーマとし、10のターゲットがあります。国連によると、世界の漁獲量は過去50年間で約2倍に増加しており、獲りすぎの状況が続いています。これからの海の豊かさを享受するためには持続可能な漁業の在り方を模索しなくてはいけません。

  • ターゲット例

14.1 2025年までに、海洋ごみや富栄養化※など、特に陸上の人間の活動によるものをふくめ、あらゆる海の汚染をふせぎ、大きく減らす。
14.5 国内法や国際法を守りながら、手に入るもっともよい科学的な情報に基づいて、2020年までに、少なくとも世界中の沿岸域(海岸線をはさんだ陸と海からなる区域)や海域の10%を保全する。

目標15.陸の豊かさを守ろう

「陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する」ことがテーマで、12のターゲットがあります。森林は気候変動による山火事や開発により、驚異的なスピードで減少しています。多様な生命を育み、地球温暖化の要因となるCO2を吸収してくれる森林を保全する取り組みが急務です。

  • ターゲット例

15.1 2020年までに国際的な協定にしたがって、森林、湿地、山地、乾燥地など陸上の生態系と、内陸の淡水地域の生態系、および、それらがもたらす自然の恵みを、守り、回復させ、持続可能な形で利用できるようにする。
15.4 2030年までに、持続可能な開発のために欠かせない山地の生態系の能力を強めるため、多様な生物が生きられる山地の生態系を確実に守る。

目標16.平和と公正をすべての人に

「持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する」をテーマとし12のターゲットがあります。あらゆる暴力を排除し、子どもやマイノリティの人々の命と権利を守る必要があります。

  • ターゲット例

16.1 あらゆる場所で、あらゆる形の暴力と、暴力による死を大きく減らす。
16.7 あらゆるレベルでものごとが決められるときには、実際に必要とされていることにこたえ、取り残される人がないように、また、人びとが参加しながら、さまざまな人の立場を代表する形でなされるようにする。

目標17.パートナーシップで目標を達成しよう

「持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」がテーマであり、19のターゲットがあります。SDGsの目標は世界の国が手を携えて達成しなくてはなりません。そのためには世界規模のパートナーシップが求められます。

  • ターゲット例

17.1 開発途上国の、税金やその他の収入を集める能力を向上するための国際的な支援などによって、国内の資金調達を強化する。
17.9 SDGsにかかげられたすべてのことを実施するための国の計画を支援するために、南北協力や南南協力、三角協力などを通じて、開発途上国において、効果的で的をしぼった形で能力を高めていけるように、国際的な支援を強化する。

出典:SDGs17の目標(公益財団法人日本ユニセフ協会)

SDGs(エスディージーズ)を理解するための2つの視点

SDGsをより理解するためには、「5つのP」と「ウェディングケーキモデル」の2つの視点が重要です。それぞれをわかりやすく解説します。

「5つのP」の視点からSDGsを捉える

「5つのP」とは、SDGsの全文に盛り込まれている重要なキーワードです。17の目標を分類する枠組みであり、バランスよくSDGsを推進するための指標でもあります。

People(人間)

地球上のあらゆる人は、尊重され平等に扱われる権利があります。貧困と飢餓を終わらせ、すべての人に教育や健康的な生活が保証されなくてはなりません。

【関連するSDGs目標】

  • 目標1.貧困をなくそう
  • 目標2.飢餓をゼロに
  • 目標3.すべての人に健康と福祉を
  • 目標4.質の高い教育をみんなに
  • 目標5.ジェンダー平等を実現しよう
  • 目標6.安全な水とトイレを世界中に

Prosperity(繁栄・豊かさ)

経済による豊かさに格差があってはいけません。誰もが平等に経済の豊かさを享受できる社会を構築する必要があります。また経済的・金銭的以外に、人間らしい豊かさを見つけることも大切です。

【関連するSDGs目標】

  • 目標7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 目標8.働きがいも経済成長も
  • 目標9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 目標10.人や国の不平等をなくそう
  • 目標11.住み続けられるまちづくりを

Planet(地球)

人間をはじめとした多くの生物が存在する地球という存在は唯一無二のものです。環境汚染などで地球を破壊しないためにも、責任ある消費と生産、天然資源の持続可能な管理、気候変動への対策が必須です。

【関連するSDGs目標】

  • 目標12.つくる責任 つかう責任
  • 目標13.気候変動に具体的な対策を
  • 目標14.海の豊かさを守ろう
  • 目標15.陸の豊かさも守ろう

Peace(平和)

平和、公正で、恐怖と暴力のない、インクルーシブな(すべての人が受け入れられ参加できる)世界を構築することが目標です。

【関連するSDGs目標】

  • 目標16.平和と公正をすべての人に

Partnership(パートナーシップ)

グローバルなパートナーシップを構築することで目標達成に近づくことが可能です。政府、民間セクター、市民社会、国連機関を含む多様な関係者が参加し、目標実現を目指します。

【関連するSDGs目標】

  • 目標17.パートナーシップで目標を達成しよう

ウェディングケーキモデルの視点からSDGsを捉える


SDGsにおける17の目標と169のターゲットの相互関係性を示すものとして、スウェーデンのレジリエンス研究所の所長ヨハン・ロックストローム博士が考案した「ウェディングケーキモデル」があります。ウエディングケーキモデルは、SDGsの目標17をケーキの頂点として、「経済圏」「社会圏」「生物圏」の3つの階層で表されています。

生活や教育などの社会条件の成立により「経済」は発展し、「社会圏」にある人々の生活は「生物圏」にある自然環境によって成り立ちます。それらの関係性を表したものが「ウェディングケーキモデル」です。

経済圏

最上階にある「経済圏」には以下のSDGs目標が含まれています。

  • 目標8.働きがいも経済成長も
  • 目標9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 目標10.人や国の不平等をなくそう
  • 目標12.つくる責任 つかう責任

ジェンダー平等を推進したり、差別をなくしたり、人間らしい働き方を確立することで、経済は向上発展することが可能です。「生物圏」「社会圏」のそれぞれの目標を達成することは、「経済圏」目標達成に大きく寄与します。

社会圏

真ん中にある「社会権」にはSDGs目標の次のものが含まれています。

  • 目標1.貧困をなくそう
  • 目標2.飢餓をゼロに
  • 目標3.すべての人に健康と福祉を
  • 目標4.質の高い教育をみんなに
  • 目標5.ジェンダー平等を実現しよう
  • 目標7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 目標11.住み続けられるまちづくりを
  • 目標16.平和と公正をすべての人に

「社会圏」では、地域のコミュニティの維持や強化など人間が社会で営むための目標が含まれています。持続可能な社会構築のためにはこれらの目標を達成し、「経済圏」につながる基盤を作り上げることが必要です。

生物圏

階層の一番下にある「生物圏」には以下のSDGs目標が含まれます。

  • 目標6.安全な水とトイレを世界中に
  • 目標13.気候変動に具体的な対策を
  • 目標14.海の豊かさを守ろう
  • 目標15.陸の豊かさも守ろう

人間の生活を支えているのは多くの自然資源です。しかし資源は無限に利用できるものではありません。生物多様性をはじめとした自然環境や資源の管理を行い、地球環境を保全していくことが重要です。

出典:SDGs(持続可能な開発目標)×多面的機能支払交付金(農林水産省)

SDGs(エスディージーズ)に取り組むメリット

企業がSDGsに取り組むことで次のようなメリットが得られます。

環境への貢献で企業の社会的地位が向上

地球温暖化をはじめとした環境課題、さらに働き方改革にみられる人権への取り組みなど、SDGsに関わる問題を積極的に解決していくことは、企業の社会的地位を向上させます。

ステークホルダーとの信頼感がアップ

企業がSDGsに取り組む姿勢は、消費者をはじめとした株主や従業員、取引先などの自社に関わるステークホルダーに対する信頼感を向上させることにつながります。

ESG投資に有利

企業の指針にサステナビリティ方針を組み込むことは、ESG投資家の信頼を向上させ、企業資金調達を有利にします。

日本や企業のSDGs(エスディージーズ)への取り組み


ここからは日本政府や企業のSDGsの取り組みを詳しくご紹介していきます。

ジャパンSDGs(エスディージーズ)アワード

ジャパンSDGsアワードとは、SDGs達成に向けた企業・団体等の取り組みを促進するために、優れた取り組みを行っている企業・団体等を選定し、表彰することが目的です。これまで多くの企業・団体が表彰されており、企業や組織の取り組みへの後押しとなっています。

国際協力事例

日本はSDGsに関する協力として、途上国において2019〜2021年の3年間で、約900万人の子ども・若者にイノベーションによる教育を提供するための「教育×イノベーション」イニシアティブを発表。さらに「女性の活躍推進のための開発戦略」などの国際協力を強化した取り組みなどを行っています。

出典:持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組(外務省)

企業の取組事例

日本企業のSDGs取組事例をいくつかご紹介します。

生活協同組合コープさっぽろ

コープさっぽろでは「トドックフードバンク」という廃棄処分になってしまう食品を企業から買い取り、福祉施設に無償で提供する活動を、2016年から実施しています。廃棄処分になってしまう食品を、児童養護施設などに提供することで食品ロスの削減につなげています。

出典:フードロスを防ぐトドックフードバンクに密着したら、やさしさの循環を見つけた(生活協同組合コープさっぽろ)

サントリーホールディングス株式会社

森の作業道の整備や植物の保護、生態系を保つために野鳥が安心して暮らせる環境保全など、森を健康に保つ取り組みを行っています。また工場では「節水」を徹底し、「水の3R(リサイクル・リユース・リデュース)」を実施しています。

出典:サステなミライ(サントリーホールディングス株式会社)

まとめ

SDGs目標の重要な考え方は「誰一人取り残さない」ことです。また目標はそれぞれが密接に関わりあっているため、全体像をとらえながら個別の目標をしっかりと達成することが、SDGsに取り組むために重要といえるでしょう。

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GX人材育成サービス「スキルアップGreen」が運営するオウンドメディア、「GX DiG」の編集部です。GXやカーボンニュートラルに関する基礎知識やGX推進に役立つ人材育成に関する情報を日々発信していきます。今後もコンテンツはどんどん追加していきますので、GX関連の学びを深堀り(DiG)していきましょう。