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プラントベースとは?エシカルな選択は世界を変える!ビジネスにも役立つ環境配慮思考

 

「プラントベース(Plant-based)」とは動物性食品を減らし、野菜など植物由来の食材を中心にした食生活のことです。消費者の環境への関心が高まる時代、食のあり方も大きな転換期を迎えています。

プラントベースは健康面のメリットに加え、温室効果ガス削減など環境負荷の軽減にもつながり、持続可能な社会を築くためのエシカルな選択といえます。こうした消費者の価値観の変化は、企業の経営やブランド戦略にも大きな影響を及ぼしています。

本記事では、プラントベースを通じてビジネスにも役立つ環境配慮の思考や、国が推進するGX(グリーントランスフォーメーション)について学ぶことができます。ぜひご一読ください。

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プラントベースとは


プラントベースとは、「プラント(plant):植物」、「ベース(base):主成分」をかけ合わせた言葉で日本語では「植物由来」を意味します。ここでは農林水産省の日本農林規格 によるプラントベースの主な食材である大豆ミート食品類の概要や、ヴィーガンやベジタリアンとの違いなどプラントベースの基礎的な知識を解説します。

農林水産省:日本農林規格による大豆ミート食品類の概要

多様な消費者のニーズを反映し、動物性原材料ではなく、植物由来の原材料を使用したプラントベースと呼ばれる食品が増加しています。それらは、環境に貢献することや健康面から世界的に注目されています。
プラントベースフードとも呼称され、植物由来の原材料を使用しており、大豆ミートが多く使用されています。大豆ミートに関しては、日本農林規格で「大豆ミート原料を用いて肉様の特徴を有するように加工すること」と、示されています。

参照:日本食品分析センター「JFRL ニュース」

ヴィーガンやベジタリアンとの違い

プラントベースはヴィーガンやベジタリアンと混同されがちですが、正確には違います。それぞれの違いは以下のようになります。

  • ヴィーガン
    肉・魚・卵・乳製品・蜂蜜など動物性食品はすべて除かれます。また食事だけでなく、革製品、毛皮、ウール、動物実験コスメを使わないなど、ライフスタイル全体で動物搾取を行わないことが特徴です。
  • ベジタリアン
    野菜を中心とした食事を取りますが、卵や乳製品などは取ることもあります。
  • プラントベース
    野菜、果物、豆類、全粒穀物、ナッツなど植物由来の食品を中心に食べる食事スタイル であり、動物性食品を完全に排除するとは限りません。

プラントベースフードの種類とメリット

ここではプラントベースフードのメリットと種類を解説していきます。

プラントベースフードのメリット

プラントベースフードは、環境負荷の低減と健康面のメリットを同時に得られる点が大きな魅力です。国連食糧農業機関(FAO)の報告によると、世界の温室効果ガス排出量のうち畜産分野は14.5%を占めています。特に牛のゲップにはメタンが多く含まれ、温室効果ガス排出の一因となっています。これに対し、プラントベースフードは植物由来であるため、温室効果ガスの排出が少ない点でも大きなメリットがあります。

参照:日本経済新聞「畜産由来の温暖化ガスとは 全排出の14.5%占める」

プラントベースフードの種類

プラントベースの種類は様々ですが主な商品は以下のようになります。

  • 大豆ミート(代替肉)
    大豆を主原料に、肉のような食感・風味を再現した食品になります。大豆は高タンパクで栄養面でも優れており、畜産より温室効果ガス排出が少ないため環境にかかる負荷が低いのも特徴です。
  • 植物性ミルク
    豆・ナッツ・穀物などから作られたミルク状飲料のことで、豆乳やココナッツミルクなどが代表的です。牛乳の代替として牛乳アレルギーでも飲むことができるため、人気が高まっています。
  • プラントベースエッグ
    植物由来の原料で卵の食感・風味を再現した食品を指します。にんじんや白インゲン豆などを原料にした商品が代表的で、低カロリー・低脂質で、卵アレルギーでも食べることが可能です。

なぜプラントベースが「エシカル」と言われるのか


プラントベースはエシカルな観点からも注目されています。ここではエシカル消費について基礎的な知識を網羅しながら、プラントベースの意義についてさまざまな角度から解説していきます。

消費者のエシカル志向の高まり

昨今、エシカルという言葉をよく耳にするようになりました。エシカルとは英語の「ethical(倫理的・道徳的)」から来ています。つまりエシカル消費とは、社会や環境、人に対して思いやりを持ち配慮した消費活動を行うことです。

国連が提唱するSDGsの高まりもあり、若い世代を中心にエシカル消費は拡大しています。エシカル消費にはさまざまな取り組み方がありますが、代表的なのは公正に取引を行うフェアトレードや、国内でいえば環境負荷の少ない製品を購入するグリーン購入などが挙げられます。

環境負荷の軽減

前述したように畜産分野はCO2排出量が多いだけではなく、食肉1kgを生産するために大量の水資源が必要です。一般的に牛肉1kgを生産するには、数千〜数万リットル規模の水を使用するといわれています。

一方、植物由来のプラントベースフードは、使用される素材の多くが大豆やエンドウ豆など、水資源効率の良い作物です。また畜産と比較して大規模な土地や飼料を必要としません。そのため環境への負荷が低いという特徴があります。

食糧問題への貢献

2050年に世界人口が約100億人へ達すると予測されています。プラントベースフードは、そのような食糧やタンパク源の不足が懸念されるなかで、安定した食料供給体制の構築に寄与する可能性を持ちます。なぜならプラントベースフードは肉に代わり、栄養価が高く、風味や食感にも優れた代替食品を開発できる可能性を秘めているからです。将来的な技術開発によって、世界的な食糧問題の解決に大きく貢献することが期待されています。

SDGsとの関わり

プラントベースの食生活に取り組むことは、SDGsの「目標13:気候変動に具体的な対策を」や「目標2:飢餓をゼロに」などの目標に貢献します。動物性食品から植物性食品へと切り替えることで、温室効果ガス排出量の削減や、水資源の大量消費、森林破壊の抑制にもつながり、環境負荷を大幅に軽減することができるからです。

さらにプラントベースの技術が進めば、栄養価の高い商品の大量開発が期待できます。そうすれば、飢餓に苦しむ人々の問題を解決できる可能性が向上します。

SDGsに関してはこちらの記事に詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。

SDGsとは?17の目標をわかりやすく解説!5つのPや企業事例も紹介

世界は「個人の選択」から「企業の変革」へ

プラントベースに取り組むことは「個人の選択」から始まりますが、それらが大きなうねりとなることで「企業の変革」へと繋がります。ここでは持続可能で環境に配慮した消費者のアクションがどのような意義をもたらすか、具体的に解説します。

消費者の変化が企業を動かす

気候変動により地球環境は大きく変化しています。日本でも災害が相次ぎ、環境保護への意識は向上しています。その表れとして、環境に配慮した商品やサービスに価値を見出す消費者が増えており、エコバッグやマイボトルの使用が増えました。

こうした消費者の意識の変化は、経済状況とも密接に関係しています。かつては手に入りにくかったエシカル商品もスーパーの店頭に並び、人気を集めるようになっています。また、消費者の声が企業の姿勢にも影響を与えており、多くの企業やメーカーが自社のウェブサイトにサステナビリティに関するページを設け、環境への配慮について情報を発信するようになりました。

若年層の環境意識の高さ

若年層ほど環境意識が高く、機会があれば環境への貢献度が高い商品を購入したいという意欲を持っています。2025年に日本財団が18歳を対象に実施した意識調査では、約4割が「経済発展と環境配慮の両立を重視したい」と回答しました。

また、環境への具体的な取り組みとしては、「食べ物を残さないようにする」「誰もいない部屋の電気を消す」「買い物の際にマイバッグを持参する」「ごみを分別する」などが挙げられています。さらに、ファッションなどの購入においては、約6割が「価格が高くなっても、環境問題の解決につながる商品やサービスを選びたい」と答えています。

参照:日本財団「日本財団18歳意識調査結果 第69回テーマ:環境」

フェアトレードやエシカル消費の拡大

日本初のエシカル市場規模調査が2023年に行われ、2022年のエシカル消費は8兆円超に上ることが、「エシカル市場規模調査実行委員会」により報告されました。これは同年のイギリスのエシカル市場規模の約3分の1に相当し、フェアトレード市場も400億円に達しました。2015年の265億円から比較すると、7年間で1.5倍に拡大したことになります。

参照:日本フェアトレード・フォーラム「日本のエシカル市場規模が8兆円超、フェアトレード市場も400億円到達、持続可能な消費の拡大」

ビジネスにおける環境配慮の重要性

ここではビジネスにおける環境配慮の重要性について、国が推進するGX(グリーントランスフォーメーション)や、プラントベースの市場動向の視点から解説していきます。

GX(グリーントランスフォーメーション)の推進

GX(グリーントランスフォーメーション)とは、脱炭素分野において新たな需要や市場を創出し、日本経済の産業競争力の強化と経済成長につなげていく取り組みです。GXの推進は、気候変動に関する情報開示の充実など、サステナブルファイナンスの促進にも寄与しており、現代の企業戦略において欠かせない要素となっています。

意識の高い消費者が増えたことで、企業も「環境配慮」なしでは生き残れなくなっています。あらゆる業界で「環境視点」を持ったビジネス構築が急務とされており、ビジネスの現場では「GX(グリーントランスフォーメーション)」が重視されています。

GXについてはこちらで詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。

GX(グリーントランスフォーメーション)とは?意味やメリット、取り組み事例などをわかりやすく解説

GX戦略としてのプラントベース

プラントベース市場への参入は、企業にとってまさに「GX戦略」そのものと言えます。現在、世界各国では脱炭素に向けたイノベーションの開発が加速しており、日本もこれに追随する形で、グリーン市場の獲得を目指し、GXを重要な国家戦略として推進しています。もともと日本は大豆をはじめとする食品開発に強みを持っており、今後はGX戦略の一環として、プラントベース食品分野においても積極的な取り組みが求められます。

プラントベース市場の動向

ここでは世界と日本のプラントベース市場の動向について解説していきます。

世界

「植物由来食品の世界市場レポート 2025」によると、植物由来食品市場は近年急速に成長しており、2024年の569億9,000万ドルから2025年には641億4,000万ドルに達しました。そして2029年には、年平均成長率14.1%で1085億5000万ドルに成長すると予想されています。これらは、消費者の気候変動への意識、およびヴィーガンやベジタリアンの人口増加、食品企業による投資と事業拡大などが要因と考えられます。

参照:植物由来食品の世界市場レポート 2025

日本

プラントベースフードの国内市場規模は、2021年度は約340億円と推定されており、2025年度には730億円に上るとされています。これは、2020年度の265億円と比較して、約2.7倍にもなります。要因としては大手食品メーカーが参入することで、スーパーやコンビニで手に取りやすくなったことや、消費者の健康への意識が向上したことも大きいと考えられます。

参照:Statista Japan「2015年度から2021年度までの日本における植物由来食品の市場規模と2025年までの予測」

企業の取り組み事例

ここからはプラントベースや、フードの開発に取り組む企業事例をご紹介していきます。

カネテツデリカフーズ株式会社

カネテツデリカフーズでは、魚のすり身を使用せず、野菜や大豆のたんぱく質など植物由来の原料によって、「Vegesh(ベジッシュ)」というプラントベース商品を開発しました。
植物由来原料を取り入れた製品を創ることで、持続可能な資源の活用を目指しています。

参照:カネテツデリカフーズ株式会社

コメダ珈琲

コメダ珈琲はサステナブルな社会実現に寄与するため新しい取り組みとして、プラントベースの喫茶店、『KOMEDA is □』を開店しました。「地球とくつろぐ喫茶店を」をコンセプトにお肉による食事を休み、温室効果ガス削減や環境に貢献することが可能な空間を提案しています。

参照:株式会社コメダ

カゴメ株式会社

カゴメ食品は、「おいしいプラントベースメニュー」を手軽に多くの方に楽しんでほしいと多様なメニュー開発に取り組んでいます。トマト、ガーリック、マッシュルームなど様々なピューレー・ペーストを使用した「大豆ミートのキーマカレー」や、豆乳を使用した「カルボナーラ」など、消費者がプラントベースに取り組みやすい商品を多く開発しています。

参照:カゴメ株式会社

【まとめ】あなたの「環境感度」をキャリアの武器にしよう!

プラントベースな食生活をしたり、エシカル消費に関心を持ったりしている方は「環境感度」が高く、すでにGX人材の素質があるといえます。

しかし、「意識が高い」だけで終わらせず、環境感度をビジネスのキャリアにするためには「正しい知識」と、「数値的な根拠」が必要になります。

一歩進んで社会を変える力を身につけたいなら、スキルアップGreenの「GX検定」がおすすめです。

また人材育成プログラム「スキルアップ Green」では、GXやSDGsの知識を身に着けることも可能です。ぜひご活用ください。

GXメディア編集部
GXメディア編集部
GX人材育成サービス「スキルアップGreen」が運営するオウンドメディア、「GX DiG」の編集部です。GXやカーボンニュートラルに関する基礎知識やGX推進に役立つ人材育成に関する情報を日々発信していきます。今後もコンテンツはどんどん追加していきますので、GX関連の学びを深堀り(DiG)していきましょう。