株式会社NTTドコモ

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「攻めのGX」でビジネスチャンスを拡大。「GXスキル標準」に準拠することで、実践的な専門スキルを習得できるプログラムをいち早く構築できた

株式会社NTTドコモ 「攻めのGX」でビジネスチャンスを拡大。「GXスキル標準」に準拠することで、実践的な専門スキルを習得できるプログラムをいち早く構築できた
2040年までに、サプライチェーンも含めた温室効果ガス排出量を実質ゼロとする「2040年ネットゼロ」を掲げるNTTドコモグループ様とスキルアップNeXtが共同で「環境分野スキル育成プログラム」を策定し、GX人材の育成に向けた取り組みを開始しました。そこで今回は、同社サステナビリティ推進室の本田様、蜂谷様にインタビューを実施。GX人材育成に取り組む背景や、研修に対する感想などを伺いました。
  • 課題・背景
    GX関連のサービスを提案する法人営業担当者から、お客様の課題の本質を捉えるヒアリング力や、解決策の提案力を強化したいという声があがっていた
  • 効果
    ・これまで点だった知識が体系的に整理でき理解が深まった
    ・ワークショップや面談など実践的な演習で、学びを実務で活かせるイメージが湧き、クライアントへの提案力の向上を実感できた

ポイント

・GXスキル標準に沿った「攻め」のGX人材育成プログラムを実施
・実践的なワークショップ形式のプログラムにより、実業務での活用イメージが明確に

営業現場における課題感がGX人材育成に舵を切るきっかけに

まずはドコモグループ全体のGXに対する取り組み内容を教えてください。

蜂谷様:

当社は2023年に、2040年までにサプライチェーン全体で温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「2040年ネットゼロ」を掲げました。その推進のために「ネットゼロ・脱炭素」「生物多様性」「サーキュラーエコノミー」の3つを柱としながら、アクションプランを作りつつ取り組んでいます。
GXに関しては、ドコモグループ全体で既にいくつかの商材を扱っています。例えば、個人のお客様に向けた「カーシェア」「バイクシェア」のサービスや、法人のお客様に向けた「GHG可視化」「従業員の行動変容を促すアプリケーション」サービスなどがあげられます。

本田様:

そのようななかで、私たちサステナビリティ推進室は社内のGX人材育成を進める役割を担っています。具体的には、教育研修プログラムの企画・実施のほかに、「カボニューアンバサダー」などのボトムアップ施策も推進しています。

ちなみに「カボニューアンバサダー」は、自主的に手を挙げた、環境に関心がある社員で構成されたチームですが、2023年度は計900名超えのメンバーに参加いただきました。グループ全体としても環境に対する意識が高まってきていることを感じますね。

今回「GX人材育成」に力を入れようと思ったのはなぜでしょうか?

蜂谷様:

当社も人的資本に力をいれており、昨今の流れを鑑みてもサステナビリティへの投資は必要不可欠です。そのうえで、どのような教育が効果的かを探った際に、まずは環境分野がテーマにあがりました。その理由は、当社内で既にGXのソリューションを展開しており、プロダクトの販売の面でも伸びしろが大きいと判断したからです。

実際に、本年度はまず法人営業担当者にむけた研修を実施しました。
法人営業担当者は、お客さまのニーズを日々ヒアリングし多くの課題解決に注力していますがGXに関する相談を頂いたとき、お客様の課題の本質をヒアリングし、解決策を検討するのが難しいという声がありました。

現場のニーズやビジネス成果へのつながりやすさを検討した結果
まずは法人営業担当者にむけた、GX人材育成に着手することにしました。

本田様:

ドコモには「学ぶ」という風土があり、自身のキャリア形成やスキルアップに繋がる多くの研修を受けることができます。
今回の対象者である法人営業担当者も、営業力強化研修やOJT、商材知識の勉強会で知見を高めていましたがGXに関しては、全体を把握することが難しい側面がありました。

GX人材育成プログラムでは、GXの背景やその内容、さらにお客様の課題を踏まえてどのような提案を行うかまで、一連の流れで理解してもらうことを重視しました。結果として、現場での活用が期待できる実践力の高い施策になったのではないかと思います。


「GXスキル標準」に準拠したプログラムを構築できることが選んだ決め手

スキルアップGreenの研修を採用いただいた理由を教えてください。

蜂谷様:

会社や事業への信頼感が一番の理由です。現在、さまざまな環境分野のルールができあがりつつあるものの、”拠りどころ”となる指針は少ない印象です。その点、御社は経済産業省が主宰するGXリーグ内で、ワーキンググループを立ち上げ、「GXスキル標準」の策定を推進しており、そのバックボーンに信頼感がありました。

本田様:

”拠りどころ”はたしかに大きな決め手でしたね。「GXスキル標準」を指針としたプログラムを構築いただくことで、施策全体の方向性が明確になりましたし、事業計画や現場の課題に沿った施策を打ち出せるのではという期待感がありました。

蜂谷様:

実際にご提案いただいた際は、特に「攻めのGX」と「守りのGX」の説明に共感をしました。当社でもまさに「攻め」と「守り」の双方が求められています。特に「攻め」の観点を踏まえて、ビジネスチャンスの拡大につながる提案をしてくださった点がありがたかったですね。

今回共同開発した「環境分野スキル育成プログラム」の全体像

研修に対する感想や、受講者のみなさんの反応はいかがでしたか?

蜂谷様:

私も当日オブザーバーとして参加しましたが、本を読むだけでは分からないような、現場の感覚に近い内容であった点が印象的でした。なかでもワークショップ演習を通じて、実際の現場で必要な考え方を落とし込んでもらえたことが良かったと感じます。

受講者からは、研修内のプレゼンテーションで発表した内容が、そのままお客様先でも活かせそうだという感想もあがりました。当初の目的でもあった、営業シーンでの活用や受講者本人の自信を高めるきっかけになったのではないかと思います。

本田様:

全体的にポジティブな感想が多かった印象ですね。事前のeラーニングに関しても、これまでバラバラだった知識が体系立って整理されたという意見が多数あがりました。蜂谷の話にもありましたが、実践につながる感覚を得てもらえた点が一番の効果だったのではないかと思います。

今後の展開を教えてください。

蜂谷様:

現在のGX領域をさらに深掘りするのか、もしくは範囲を広げてSX領域まで進むのかなど、さまざまな方向性を模索している最中です。受講者についても、本年度は法人営業メンバーが対象でしたが、どこまで職種を広げるかが今後の検討課題になるかと思います。

本田様:

GXと事業の両立を実現していきたいと考えています。そのためにも、課題を正しく捉え、自社の強みを活かしながら利益を上げられる人材の育成を強化していく必要があるでしょう。

当社にはR&D部門などを筆頭に、さまざまな技術やノウハウの種が存在します。そこにサステナビリティの知見を加えることで、さらなるビジネスアイデアが生まれることも期待できます。そのような観点からも、今後もより専門的な知識を持ち社内をけん引できる人材の育成に努めていきたいと考えます。

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