KDDI株式会社

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2040年度ネットゼロ達成に向け、GX検定アドバンストで部門メンバーの知識レベルの引き上げと標準化を実現

KDDI株式会社 2040年度ネットゼロ達成に向け、GX検定アドバンストで部門メンバーの知識レベルの引き上げと標準化を実現
KDDI株式会社は、「KDDI GREEN PLAN」を策定し、2040年度末までにScope1から3まで含めたネットゼロを達成するという目標を掲げています。この目標達成の中核を担うのが、2022年4月に発足したサステナビリティ経営推進本部です。同本部内のカーボンニュートラル・環境グループでは、カーボンニュートラルだけでなく、生物多様性や循環型社会など、環境に関するあらゆる領域を担当しています。今回は、グループリーダーとしてチームを牽引する兵田様に、GX人材育成の背景や成果についてお話を伺いました。
  • 課題・背景
    カーボンニュートラル、生物多様性、循環型社会と担当領域が広く、担当分野によってメンバーの知識に偏りがあった
    GX入門講座/GX検定 ベーシックで習得した基礎知識に加えて、実務を進める上で、より専門的で実践的な知識を習得する必要があった
  • 効果
    GHGプロトコルから先進技術までを網羅したカリキュラムによって、グループの専門知識を標準化し、共通言語の土台を築いた
    講座内の算定演習問題を通じて、実務で起こり得る単位間違いの重要性を学び、実際の排出量算定業務における正確性が向上した
    知識レベルがあがったことにより、ニュースのキーワードから事業への影響を読み解く戦略的視点が醸成された

ポイント

実務に即して設計された算定演習問題
GHGプロトコルから先進技術までをバランスよく網羅し、共通認識を形成できるカリキュラム
戦略的視点を醸成する、削減策の背景や重要性まで踏み込んだ講義内容

2040年度ネットゼロ達成に向け、基礎から実践へGX人材育成を次のステージへ

貴社のGX・サステナビリティに関する取り組みについて教えてください。

兵田様:

私が所属するサステナビリティ経営推進本部は2022年4月に発足した部署で、サステナビリティ企画部とサステナビリティ推進部に分かれています。私のグループは前者の企画部に所属し、カーボンニュートラル、生物多様性、循環型社会といった環境に関する取り組み全般を担っています。

当社は「KDDI GREEN PLAN」を掲げ、2030年度末のカーボンニュートラル達成と2040年度末までのネットゼロ達成というチャレンジングな目標を設定しました。このプランは、自社のCO2排出量削減と、お客様や社会全体のCO2排出量削減に貢献する、という2つの柱で成り立っています。

具体的な取り組みとして、特に電力消費の増加が見込まれるデータセンター事業での取り組みに力を入れています。脱炭素が進んでいる欧州のデータセンターから再生可能エネルギー100%での事業運営を広めており、今年度中に国内やアジア等を含めて世界中の「Telehouse」ブランドでのデータセンターで再生可能エネルギー100%での運営を実現する計画です。また、コーポレートベンチャーキャピタルである「KDDI Green Partners Fund」を通じて、優れた脱炭素技術を持つスタートアップへの出資も行い、多角的にアプローチしています。私たちの部署は、こうした全社的な方針策定から実行支援、そしてCDPなどの外部への情報開示までを一貫して担当しています。

GX研修の導入にはどんな背景がありましたか。

兵田様:

本部内では、社員の育成という観点から、GX検定などいくつかの資格を推奨資格として定めています。まず新しく着任したメンバーに、基礎知識をバランスよく習得してもらう目的で「GX検定 ベーシック」を受験してもらいました。入門編として非常に良い内容だったと感じています。
しかし、実務を進めていく上では、もう一段階上のレベルの知識が不可欠と感じ、知識をさらに伸ばし、実務に繋げることを期待して「カーボンニュートラル実践講座(中級編)」の受講と「GX検定 アドバンスト」受験を決めました。

演習問題で培った「単位の重要性」への意識。実践的な知識習得でメンバーの専門性が標準化

実際に講座と検定を受けてみて、いかがでしたか。

兵田様:

多くのメンバーで役に立ったと感じたのは削減方法に関する知識で、目先の業務だけでなく、将来の事業環境を見通す上でも効果を発揮しました。GX関連のニュースはメンバー全員よく見るようにしているのですが、キーワードを理解したことでニュースへの感度が格段に上がりました。例えば、洋上風力発電に関するニュースを見たときに、それが日本の脱炭素における「切り札」と言われている背景を理解していることで、自社にどのような長期的影響があるかを考えられるようになります。大きな経営判断にも関わることなので、知っているか知らないかで大きな差が出ると感じています。

また実務に直結したと感じるのは、排出量算定に関する部分です。具体的には、講座の演習問題では、トンCO2なのかキログラムなのかといった単位の重要性を繰り返し問われます。最初は「どうしてこんなに細かい部分が問われるのか」と感じたメンバーもいたようですが、実際に業務で算定を始めると、この単位の間違いが頻繁に起こりうる重大なポイントだと気づいたようです。「あの問題でやったことだ」と、今まさに受講したメンバーが学んだことを実務に役立てています。

受講者の反応はいかがでしたか。

兵田様:

私のグループは、生物多様性の担当者もいれば、Scope1・2の算定担当者もいるというように、専門性が多岐にわたります。そのため、担当領域によって知識にバラつきがありましたが、今回網羅的に学んだことで、チーム全体の知識レベルを一定の水準まで引き上げ、標準化することができました。
私のグループは「環境」と名のつくものは基本的に全て担当していますので、海外・国内の制度や政策、技術、エネルギー市場の動向をとても広く理解しておく必要があります。そのため、広くあまねく知識を身につけ、視野が広がったことは、実務を進める上で非常に大きなメリットだと感じています。

今後の展開を教えてください。

兵田様:

2030年、そして2040年の目標達成に向けて、今後はエネルギー関連や国が関わるような制度について、より専門性を高めていく必要があると感じています。再エネを導入するにしても、エネルギー関連の制度や証書やフィジカル/バーチャルPPAの仕組みなど、かなり細かい部分まで理解していなければなりません。
また、この脱炭素の取り組みは、競争領域の面も一部ありますが、究極的には多くの企業が一緒に取り組んでいくべき協調領域だと考えています。実際に、例えばScope3の取り組みでは、競合他社さんとも一緒になりながら取り組んでいます。だからこそ、社外とも連携を深めていくうえでスキルアップNeXtさんが提供しているようなネットワーキングの場は、非常にありがたいと感じています。
今後は通信・IT業界の垣根を越えて、さらに幅広い業界の皆様と一緒に、社会全体の脱炭素化を進めていきたいですね。

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この事例で導入されたカリキュラム

カーボンニュートラル実践講座(中級編)

【GXSS レベル2・GX検定 アドバンスト対応】Scope1,2の算定や開示のベースとなる記載ができ、企業共通の排出量削減手法を説明できる力を身に付ける講座です。GX推進・サステナビリティ部門の担当者として、より実務に活かせる知識の習得を目指します。日本初「環境省 脱炭素アドバイザー アドバンスト」の認定を受けたGX検定 アドバンストに完全対応しています。

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