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GXスキル標準(GXSS)とは?策定された背景や内容を解説

2024年5月16日、経済産業省が主導するGXリーグ内のワーキンググループ「GX人材市場創造WG」において、GXスキル標準(GXSS)が策定されました。この策定には、GXDiGの運営企業でもある株式会社スキルアップNeXtがGX人材市場創造WGのリーダー企業として携わりました。そこで本記事では、実際に策定に携わった企業として、GXスキル標準(GXSS)について分かりやすく解説します!

▼▼GXスキル標準について詳しく知りたい方はこちら▼▼
特設サイト:https://green-transformation.jp/gx_skillstandard/
資料置き場:https://gx-league.go.jp/news/20220514/

▼▼GXスキル標準に準拠した研修・講座はこちら▼▼
SkillUp Greenの法人研修:https://green-transformation.jp/
SkillUp Greenが提供する講座一覧:https://green-transformation.jp/course/

GXスキル標準(GXSS)とは?

GXスキル標準とは、GXに関する知識やリテラシー、推進に必要な人材、役割、スキルを定義・標準化したもので、GX人材育成のための指針となります。

この標準は、GXに関するリテラシーを定義した「GXリテラシー標準(GXSS-L)」と、GX推進に関するスキルやレベルを定義した「GX推進スキル標準(GXSS-P)」の2つから構成されています。これらは、経産省が主導するGXリーグ内のワーキンググループであるGX人材市場創造WGによって策定されました。

GXスキル標準の資料によると、GXスキル標準に期待されることとして、以下のように説明しています。


出典:「GXスキル標準(GXSS)」より

①リテラシーを標準化

  • 体系立てて学べるようになることで、関わる全ての人がGXを理解し、自分ごととして取り組むことができるようになる
  • 組織が取り組むべきトランスフォーメーションの第一歩として認識され、人材育成による組織変革をより効果的に機能させる

②推進スキルを標準化

  • キャリアアップ、キャリアチェンジのひとつとして個人の選択肢を増やす
  • OJTによる育成に依存せず、必要な人材が市場全体で育成が活発化する

これまで以上にGX推進や人材育成が促進されるだけでなく、GX人材市場の拡大に繋げることも狙いです。

策定された背景

GXスキル標準が策定された背景には、GX関連の求人が増加しているにもかかわらず、転職者数が伸び悩んでいる現状があります。弊社がリーダーを務めたGX人材市場創造WGは、人材市場の形成において「スキル標準が存在し、ジョブ標準と結びついていること」が重要なテーマであると認識し、まずスキル標準の検討から進めました。GXスキル標準は、その成果として策定されました。

GX人材市場創造WGとは

GX人材市場創造WGとは、GX人材の必要性や重要性について議論するワーキンググループです。2023年のGXリーグ内にて、民間企業からの応募により設立されました。GXDiGの運営企業である株式会社スキルアップNeXtがリーダー企業を務め、GX関連の雇用拡大に対応しつつ、人材やスキル、ジョブ(職務内容)を標準化し、GX人材市場の活発化と人材不足の解消を目指しています。

GXリテラシー標準(GXSS-L)Ver1.0

GXリテラシー標準は、GXに関する知識と学習項目例や学習到達度を定義しています。対象は経営層を含めたGXに関わる全ての方です。ITやDX人材育成の文脈におけるITリテラシー標準やDXリテラシー標準を参考に、下記の学習項目とそれに対する学習到達度が定義されています。また後述するGXSSレベル標準では、レベル01相当に位置づけられています。

GXリテラシー標準の全体像


出典:「GXスキル標準(GXSS)」より

  • GXの背景(Why)
  • GX実現のために企業がすべきこと(What)
  • GXで活用される手法や制度(How)
  • マインド・スタンス(Mind/Stance)

学習項目のピックアップ


出典:「GXスキル標準(GXSS)」より

ここでは、GXリテラシー標準が定める学習項目の中から、「マインド・スタンス」に絞って簡単にご紹介します。
この学習項目は、企業のGXを推進する人材が身に付けるべき意識や姿勢を定義しています。

  • バックキャスト
  • 変化への挑戦
  • コラボレーション
  • エンゲージメント
  • 多角的思考
  • 継続学習

GX人材育成においては、知識習得だけでなく、適切なマインドとスタンスが必要です。人材育成に取り組む方の中には、「研修をただ受けて終わってしまう」、「eラーニングの講座を導入したが、受講しない従業員がいる」、「会社や上司からの要請に従い、仕方なくやっていた・・」というお悩みを抱えている方も多かったのではないでしょうか。

GXリテラシー標準では、社員がGXを自分事として捉えてもらうために必要な具体的な行動例も定義されているので、人材育成計画の策定や全社的に社員のリテラシーを底上げしたい際に参考にされてください。

GX推進スキル標準(GXSS-P)Ver1.0


出典:「GXスキル標準(GXSS)」より

GX推進スキル標準では、GXを推進するために必要な人材や、具体的なスキルを定義しています。また、独自の指標としてGXSSレベル標準も定義しており、それぞれの人材類型とロール(役割)に応じた4段階のレベルが設けられています。

ここでは、GX推進スキル標準Ver1.0が定める、下記の項目について簡単に紹介します。

  • 人材類型
  • ロール
  • レベル

人材類型

GX推進スキル標準Ver1.0では、以下の4つの人材類型があり、その内「GXアナリスト」、「GXストラテジスト」のみ定義しています。なお、「GXインベンター」と「GXコミュニケーター」は、詳細定義が未着手のため参考として記載しています。

プロセス 算定・分析 分析・計画化 実行
人材類型 GXアナリスト GXストラテジスト GXインベンター GXコミュニケーター
定義 GX推進において、基準に則った上で企業・組織の経済活動に伴う各種状況について、目的設定、方法設計、分析実施を行うことができる人材 GX推進において、算定をはじめとした状況情報の分析を行い、環境指標と経済指標の両面を踏まえた計画の立案と承認を得ることができる人材 GX推進において、環境指標と経済指標の両面において大きく推進する重要なビジネスや技術を発見・開発することができる人材 GX推進において、主に各ステークホルダーとの対話と交渉を通じて、自社の計画の実現を推進することができる人材

「GXスキル標準(GXSS)」をもとに作成

このようにGX人材の類型とその定義が分かりやすく整理されています。また、レベル別のスキルの定義もあるため、従業員のスキルレベルに応じた人材育成や、自社で求められている業務とそのレベル感把握の参考にされてください。

ロール

ロールとは、それぞれの人材類型に定められた役割のことを指します。例えば「GXアナリスト」の場合、ロール「算定」が定義されています。GX推進スキル標準Ver1.0では、各ロール毎にそれぞれ求められるスキルが大括りに定義されており、今後ロールやスキルの詳細項目を定義していく予定です。

人材類型 ロール
GXアナリスト 算定
GXストラテジスト 削減計画
経営企画
事業計画
GXインベンター 事業開発
商品開発
技術開発
GXコミュニケーター IR・広報
オペレーション
調達
営業・渉外

レベル


出典:「GXスキル標準(GXSS)」より

最後にGX推進スキル標準Ver1.0が定めるGXSSレベル標準について簡単に紹介します。GXSSレベル標準とは、DX人材育成などで活用されているITSS標準を参考に定められた、GX人材育成や評価の際に参考となるレベルの指標です。それぞれのロール毎にレベルを定義しています。

ここでは、「GXスキル標準(GXSS)」をもとに、GXSSレベルの定義について簡単にまとめました。

GXSSレベル GXSSレベルの定義 標準
04 プロフェッショナルとして独力で自社のGX推進の課題の発見・設定と解決・実行をリードすることができる GX推進スキル標準
03 GX推進において範囲(業務領域・部門等)を限定した業務をリードできる。プロフェッショナルとなるために必要な応用的知識・技能を有する GX推進スキル標準
02 GX推進において上位の指導者のもと、要求された関連業務を担当する。プロフェッショナルとなるために必要な基本的知識・技能を有する GX推進スキル標準
01 GXの重要性を理解し、基礎知識を有している GXリテラシー標準レベル

GX推進スキル標準が想定しているGXSSレベルは02~04となっており、GXリテラシー標準は01として定められています。また、GX推進スキル標準では各ロールに対してそれぞれのレベルとその定義が定められています。現在のVer1.0では、ロール「算定」と「削減計画」のみ定義されており、これらの指針に従うことで、排出量の算定や削減計画を担う人材の育成に役立てていくことが狙いです

今後の検討事項

GXスキル標準の今後の検討事項は下記の2つです。

  • その他人材のレベル別スキル定義
  • 推進人材にとって共通的に必要となるリテラシー(プロフェッショナルレベル)の検討

また、GXスキル標準以外で検討が必要な事項として下記があります。

  • ジョブ標準関連
  • 標準化サイクルとエコシステムの設計

GXやサステナビリティを取り巻く環境の変化が早いことを考慮し、GXスキル標準全体のブラッシュアップを継続的に行う必要があり、公表後の意見を踏まえてブラッシュアップをしていきます。詳細は、GXリーグのサイトをご確認ください。

まとめ

本記事では、GXスキル標準と策定された背景、GXリテラシー標準とGX推進スキル標準について解説してきました。GXSSに関する詳細な資料は、GXリーグのサイトからダウンロードできます。ぜひご活用ください。

また、弊社の講座はすべてGXSSに準拠して設計されています。これにより、受講者はGX推進に必要なスキルと知識を体系的に学ぶことができます。詳細な講座内容や受講の申し込みについては、弊社のウェブサイトをご覧ください。

▼▼GXスキル標準について詳しく知りたい方はこちら▼▼
特設サイト:https://green-transformation.jp/gx_skillstandard/
資料置き場:https://gx-league.go.jp/news/20220514/

▼▼GXスキル標準に準拠した研修・講座はこちら▼▼
SkillUp Greenの法人研修:https://green-transformation.jp/
SkillUp Greenが提供する講座一覧:https://green-transformation.jp/course/

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GXメディア編集部
GXメディア編集部
GX人材育成サービス「スキルアップGreen」が運営するオウンドメディア、「GX DiG」の編集部です。GXやカーボンニュートラルに関する基礎知識やGX推進に役立つ人材育成に関する情報を日々発信していきます。今後もコンテンツはどんどん追加していきますので、GX関連の学びを深堀り(DiG)していきましょう。