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【2026年3月最新版】GXスキル標準(GXSS)とは?最新アップデートの背景や内容を徹底解説

 

「自社のGX推進にはどんなスキルを持った社員が必要なのだろう?」
「GX人材の育成、何から始めればいいか知りたい」

そんなお悩みをお持ちの人事担当者・GX推進担当者の方は少なくないのではないでしょうか。
2024年5月16日、経済産業省が主導するGXリーグ内のワーキンググループ「GX人材市場創造WG」において、GXに必要なスキル等の指針となる「GXスキル標準」(GX Skill Standard、GXSS)が策定され、「2026年3月、GX人材市場創造WGより『GXリテラシー標準(GXSS-L)Ver1.1』および『GX推進スキル標準(GXSS-P)Ver2.1』が発表されました。より現場での『実行・運用』に即した大幅な改定と、実務で使える実践ツールが追加公開されています。
本記事では、WGの座長・事務局を務めたスキルアップNeXtが、最新のアップデート内容を含めて分かりやすく解説します。

 

▼▼GXスキル標準について詳しく知りたい方はこちら▼▼
特設サイト:https://green-transformation.jp/gx_skillstandard/
資料置き場:https://gx-league.go.jp/news/20240514/

▼▼GXスキル標準に準拠した研修・講座はこちら▼▼
SkillUp Greenの法人研修:https://green-transformation.jp/
SkillUp Greenが提供する講座一覧:https://green-transformation.jp/course/

GXスキル標準(GXSS)とは?

GXスキル標準(GXSS)とは、GXに関する知識やリテラシー、推進に必要な人材、役割、スキルを定義・標準化したもので、GX人材育成やGX組織開発の指針となります。
参考:GX人材とは

GXスキル標準は、「GXリテラシー標準(GXSS-L)」と、「GX推進スキル標準(GXSS-P)」の2つから構成されています。
GXSS-Lは、GXに関わる全てのビジネスパーソンを対象にGXに関するリテラシーとして身につけるべき知識と学習が期待される項目(学習項目例)を定義しています。2026年3月に発表されたVer1.1が最新です。

GXSS-Pは、GX推進に関わるビジネスパーソンに向けて、GX推進に必要な人材類型とロール定義に加え、関連スキルやレベルを定義しています。こちらは2026年3月にVer2.1にアップデートされ、より実践的な内容へと改訂されました。

GXスキル標準に期待されること

GXリーグにより発表された資料「GXスキル標準(GXSS)」(2026年3月)によると、GXスキル標準に期待されることを、以下のように説明しています。

①リテラシーを標準化

  • (GXの基礎的な知識等を)体系立てて学べるようになることで、関わる全ての人がGXを理解し、自分ごととして取り組むことができるようになる
  • 組織が取り組むべきトランスフォーメーションの第一歩として認識され、人材育成による組織変革をより効果的に機能させる

②推進スキルを標準化

  • キャリアアップ、キャリアチェンジのひとつとして個人の選択肢を増やす
  • OJTによる育成に依存せず、必要な人材が市場全体で育成が活発化する

GXSSを通して、これまで以上にGX推進や人材育成が促進されるだけでなく、GX人材市場の拡大に繋げることも狙いです。

 


出典:「GXスキル標準(GXSS)」(2026年3月)」より

GXSSが策定された背景

GXSSは、経産省が主導するGXリーグ内のワーキンググループであるGX人材市場創造WGによって策定されました。
GX関連の求人は増加する一方、転職者数は伸び悩んでいます。スキルアップNeXtがリーダーを務めたGX人材市場創造WGでは、この課題を解決するには、求められる能力を定義した「スキル標準」と職務内容(ジョブ)を結びつけることが重要だと考えました。そこでまず、スキル標準の検討から進め、その成果として、「GXスキル標準」を策定しました。

 

GXリーグとは

2050年のカーボンニュートラル実現と社会変革を見据えて、GXへの挑戦を行い、現在および未来社会における持続的な成長の実現を目指す企業が、同様の取組を行う企業群や官・学と共に協働する場が、GXリーグです。活動の一つに、新市場創造に向けたルール形成があります。参画企業や詳しい活動内容は、GXリーグのWebサイトでご覧いただけます。

GX人材市場創造WGとは

GX人材市場創造WGとは、GX人材の必要性や重要性について議論するワーキンググループです。2023年のGXリーグ内にて、民間企業からの応募により設立されました。
GXDiG・GX検定の運営企業であるスキルアップNeXtがリーダー企業を務め、GX関連の雇用拡大に対応しつつ、人材やスキル、ジョブ(職務内容)を標準化し、GX人材市場の活発化と人材不足の解消を目指しています。
成果物等は、ルール形成を通じたグリーン市場の創造(市場ルール形成WG) のページでご覧いただけます。

以降、「GXリテラシー標準」「GX推進スキル標準」について、概要を解説します。

GXリテラシー標準(GXSS-L)Ver1.1

GXリテラシー標準は、GXに関する知識と学習項目例や学習到達度を定義しています。対象は経営層を含めたGXに関わる全ての方です。ITやDX人材育成における「ITスキル標準(ITSS)」や「DXリテラシー標準(DSS-L)」を参考に、下記の学習項目とそれに対する学習到達度が定義されています。

 

  • GXの背景
  • GX実現のために企業がすべきこと
  • GXで活用される手法や制度
  • マインド・スタンス

 

【Ver1.1のハイライト】全ロール共通の「レベル2(共通知識)」が新設
Ver1.1の最大の変更点は、全ロール横断の共通知識として『レベル2相当の学習到達度』が新設されたことです。レベル1(共通リテラシー)を習得した方が、より専門的なプロフェッショナル(レベル3以上)を目指すための架け橋として設定されました。具体的には『What(何をすべきか)』や『How(どうするべきか)』の項目において、実務の入り口となる知識が定義されており、組織の次世代GXリーダー育成の明確な指針となります。

 


出典:「GXスキル標準(GXSS)」(2026年3月)」より

学習項目の例(How)

ここでは、GXリテラシー標準が定める学習項目の中から、「How(どうするべきか)」に絞って簡単にご紹介します。「How(どうするべきか)」では、企業のGX推進の手段や把握すべき政策などを提示しています。

 

  • 省エネの推進方法
  • 再エネの調達方法
  • 燃料・原料転換、新素材
  • NETsの採用
  • 排出量取引・クレジット
  • サステナブルファイナンス
  • 国・自治体の政策
  • 取組事例

 

各項目はさらに「内容」「説明」「学習項目例」に分けて説明されています。

How「再エネの調達方法」
内容 自家発電や再エネ電力購入契約(PPA)など、自社に適した再生可能エネルギーの調達手法を理解し、積極的な導入を図る
説明
  • 再エネの調達は、企業がCO2排出量削減を進める上で、重要な選択肢の1つである
  • 自家発電・自家消費、コーポレート PPA (電力購入契約)、小売電気事業者からの購入、自然エネルギー由来の証書の購入等の主要な再エネ調達方法を知り、目標達成に向けた柔軟な選択肢を持つ
学習項目例
  • 再生可能エネルギーの概要 −太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス
  • 自社での太陽光や風力発電の導入 −オンサイト太陽光発電設備の設置条件と費用 −風力発電の可能性評価と地域の規制理解 −導入後の運用管理と効果測定
  • ほか

出典:「GXスキル標準(GXSS)」(2026年3月)」より作成

 

GX人材を育成するには、知識や手段の理解だけでなく、適切なマインドとスタンスが必要です。人材育成に取り組む方の中には、「研修をただ受けて終わってしまう」、「eラーニングの講座を導入したが、受講しない従業員がいる」、「会社や上司からの要請に従い、仕方なくやっていた・・」というお悩みを抱えている方も多かったのではないでしょうか。
GXリテラシー標準では、社員がGXを自分事として捉えるための具体的な行動例も定義されています。人材育成計画の策定や、全社的なリテラシー向上にご活用ください。

GX推進スキル標準(GXSS-P)Ver 2.1

GX推進スキル標準では、GXを推進するために必要な人材のタイプ(類型)、役割(ロール)、スキルを定義しています。さらに独自指標のGXSSレベル標準を定義し、ロールにおけるレベル設定に反映しています。

 


出典:「GXスキル標準(GXSS)」(2026年3月)」より

 

GX推進スキル標準の「人材類型、ロール、スキル、レベル標準」について、以降で紹介します。

 

  • 人材類型
  • ロール
  • スキル
  • レベル

人材類型

GX推進スキル標準では5つの人材類型を定めています。詳細定義された類型は「GXアナリスト」、「GXストラテジスト」、「GXプロジェクトマネージャー」、「GXコミュニケーター」です。(※「GXインベンター」はスコープ外)

 


出典:「GXスキル標準(GXSS)」(2026年3月)」より

ロール

ロールとは、それぞれの人材類型に定められた役割のことを指します。例えば「GXアナリスト」の場合、ロール「算定」が定義されています。GX推進スキル標準では、ロール毎に求められるスキルがレベル分けされました。これにより、企業が現場で実務者の育成に活用しやすくなることが想定されています。

 

【Ver2.1のハイライト】実態に合わせて「GX調達」ロールが再定義
Ver2.1へのアップデートにおいて、人材類型『GXコミュニケーター』に含まれる『GX調達』の定義が大きく改定されました。以前は『サプライチェーン全体の削減戦略立案』といった企画寄りの役割でしたが、実際の現場では『サプライチェーンへの削減計画推進・実行』の役割を担うことが多い実態に合わせられました。Scope3の一次データ収集の設計・運用や、サプライヤーとの直接的なエンゲージメントなど、より実行ベースのスキルが求められています。

 

 

表 GXSS-P ロール一覧

人材類型 ロール(Ver1.0) ロール(Ver2.0)
GXアナリスト 算定 GHG排出量算定
GHG排出量分析
GXストラテジスト 削減計画
経営企画
事業計画
GX経営企画
GX事業計画・管理
GHG削減計画
GX情報開示
GXプロジェクトマネジャー GXプロジェクトマネジメント
GXコミュニケーター IR・広報
オペレーション
調達
営業・渉外
GX IR・広報
GX調達
GXマーケティング・営業
GX渉外・アライアンス

出典:「GXスキル標準(GXSS)」(2026年3月)」をもとに作成

スキル

ロールにはそれぞれ、担う責任や主な業務を想定した上で、必要となるスキルが定められています。同じGXアナリストでも、ロールによって必要となるスキルが違うことがわかります。
重なる部分もありますが、実務においては複数のロールを一人が兼務したり、一つのロールでも数人でジョブを分担して取り組んだりすることも想定されています。

必要となるスキルの違い(例)

GHG排出量算定
  • GHGプロトコル、CFPガイドライン、ISO14067などが定めるGHG算定方法論を理解するスキル
  • GHG排出量算定の目的に応じて、適切な算定方法や算定優先度を設定するスキル(第三者保証取得を念頭に置いた制度設計を含む)
  • 企業や組織の事業活動に起因するGHG排出の経路を理解するスキル
  • 企業や組織のGHG算定関係部署や社外関係者と適切にコミュニケーションを取り、組織内外でGHG算定体制の構築をリードするスキル
GHG排出量分析
  • GHGプロトコル、CFPガイドライン、ISO14067などが定めるGHG算定方法論を理解するスキル
  • 企業や組織の事業活動に起因するGHG排出の経路を理解するスキル
  • GXストラテジストと連携し、企業や組織の事業内容に応じたGHG排出削減策を立案するスキル(削減計画の立案および実績分析を含む)
  • GHG排出量をデータ分析スキルを用いて部署ごとにブレイクダウンし、排出要因とともに、経営層および社内外関係者へ報告するスキル

出典:「GXスキル標準(GXSS)」(2026年3月)」より作成

レベル標準

GXSSレベル標準とは、GX人材育成や評価の際に参考となるレベルの指標です。各ロールに定めたスキルを通して何を達成できるのかによって、レベルの目安を示しています。

GXSSレベルの定義と対応するスキル

GXSSレベル GXSSレベルの定義 スキル
04 プロフェッショナルとして独力で自社のGX推進の課題の発見・設定と解決・実行をリードすることができる GX推進スキル標準
03 GX推進において範囲(業務領域・部門等)を限定した業務をリードできる。プロフェッショナルとなるために必要な応用的知識・技能を有する GX推進スキル標準
02 GX推進において上位の指導者のもと、要求された関連業務を担当する。プロフェッショナルとなるために必要な基本的知識・技能を有する GX推進スキル標準
01 GXの重要性を理解し、基礎知識を有している GXリテラシー標準レベル

出典:「GXスキル標準(GXSS)」(2026年3月)」より作成

 

GX推進スキル標準が想定しているGXSSレベルは02〜04となっており、GXリテラシー標準は01として定められています。こうしたレベル標準に照らしてスキルを見ることで、各ロールを担う人材の配置や育成に役立てていくことができます。

 

「わかる」から「できる」へ:新たに公開された実践ツール

2026年3月の発表では、スキル標準の定義だけでなく、企業がすぐに実務で使える実践的なツールも新たに公開されました。

  • 人材(役割)から始める・進めるGXガイドブック:
    GX推進を『知る・測る・減らす・開示』の4フェーズに分け、自社に今どんな人材やスキルが不足しているかをチェックリスト形式で確認できる初動ガイドです。
  • サプライチェーン連動 アクションチャート:
    単一部門では進まないGXを、社内外の『依頼元』と『依頼先』に分け、10段階のフェーズごとに誰が何をするべきかを構造化した実用的な実務ツールです。

 

今後の展開:GXスキル標準(GXSS)の活用方法

GXSSの活用事例としては、NTTドコモグループの「環境分野スキル育成プログラム」があります。「GXスキル標準(GXSS)」に準拠し、共通スキル研修と応用スキル研修に分けた段階的プログラムとなっています。

参考:スキルアップNeXt社プレスリリース「NTTドコモグループの「2040年ネットゼロ」実現に向けたGX人材育成の支援開始。「GXスキル標準(GXSS)」に準拠した「環境分野スキル育成プログラム」を共同開発」(2024年7月30日)

また、スキルアップNeXtから、活用に役立つコンテンツが公表されています。こちらもご活用ください。

  1. GXスキル標準活用ガイド
  2. GXスキル標準解説セミナー(アーカイブ配信)

GXリーグにより発表された資料「GXスキル標準(GXSS)」(2026年3月)には、GXリテラシー標準・GX推進スキル標準それぞれに「活用上で留意すべき点」が記載されています。活用を検討する際には、合わせて確認すると良いでしょう。

まとめ

本記事では、GXスキル標準と策定された背景、GXリテラシー標準とGX推進スキル標準について解説してきました。GXSSを活用して、自社のGX推進にお役立てください。

さらなる情報がほしい、実践したい方へ

GXスキル標準に関する動向は、「GXスキル標準浸透プロジェクト」のサイトでも発表されています。最新の動向や活用事例等については、こちらもご覧ください。

GXSSに関する詳細な資料は、GXリーグのサイトからダウンロードできます。ぜひご活用ください。

また、スキルアップGreenの講座はすべてGXSSに準拠して設計されています。これにより、受講者はGX推進に必要なスキルと知識を体系的に学ぶことができます。詳細な講座内容や受講の申し込みについては、スキルアップGreenのWebサイトをご覧ください。

 

▼▼GXスキル標準について詳しく知りたい方はこちら▼▼
特設サイト:https://green-transformation.jp/gx_skillstandard/
資料置き場:https://gx-league.go.jp/news/20220514/

▼▼GXスキル標準に準拠した研修・講座はこちら▼▼
SkillUp Greenの法人研修:https://green-transformation.jp/
SkillUp Greenが提供する講座一覧:https://green-transformation.jp/course/

▼▼「GXリテラシー標準」に完全準拠▼▼
GXリテラシーを可視化する
GXアセスメント:https://green-transformation.jp/gx-assessment/

GXメディア編集部
GXメディア編集部
GX人材育成サービス「スキルアップGreen」が運営するオウンドメディア、「GX DiG」の編集部です。GXやカーボンニュートラルに関する基礎知識やGX推進に役立つ人材育成に関する情報を日々発信していきます。今後もコンテンツはどんどん追加していきますので、GX関連の学びを深堀り(DiG)していきましょう。