Success Stories導入事例
脱炭素の基礎知識を体系的に学び、新規ビジネスの創出につなげる

木崎 哲朗様 技術本部 CN推進室(写真左)
岡本 允志様 技術本部 CN推進室(写真右)
- 設立間もないCN推進室の社員の脱炭素に関する知識を高め、社内の脱炭素実現と後のビジネス化につなげる
- 化学メーカーであるため、CO2に対する基礎的な知識はあるものの、脱炭素に精通した社員が少ない
- 自習だけでは知り得なかった、地方自治体の脱炭素への取り組みや、本格的なワークでビジネスアイデアの創出についてのノウハウも学べ、実践的な知識が身についた。
受講前に自主的な勉強で知識をインプット
今年度よりCN推進室が設立されたと伺いました。同部署の設立経緯や、「カーボンニュートラル基礎講座」と「GXビジネスクリエイション講座BtoB編」の受講理由を教えてください。
木崎様
私は入社25年ですが、これまでは化学系の事業部と研究開発本部のテーマに携わり、2022年10月からCN推進室に異動となりました。私も含めて、当社は化学メーカーとしてさまざまな化合物を取り扱っているので基礎的な化学の知識は持っている社員が多いのですが、カーボンニュートラルについては初心者の社員が多く、まずは知識を身につけるためにスキルアップグリーンの講座を受講しました。
岡本様
私は2022年8月からCN推進室に所属しております。当社はCO2排出量が多いとされる化学事業を主業としているため、まずは自社でカーボンニュートラルを実現するための基礎を学ぶ講座と、ビジネス化の実践まで網羅的に学べる講座の二つを受講しました。
講座受講前にはどのような手段でカーボンニュートラルの勉強をしていましたか?
木崎様
まずは、これまで部署として蓄積してきたカーボンニュートラル関係の資料がありましたので、その資料をメインに勉強しました。その他にはセミナーや講演会に参加していましたが、どうしても点と点を学んでいく形になりがちでした。
岡本様
書籍を読んだり、学会やシンポジウムへ参加したりなどで勉強していました。学びの場は多くありますが、体系的にまとまっているものはなかなかありません。スキルアップグリーンの講座はカーボンニュートラルに関する基本的な内容の全体把握に役立ちました。
トップダウンで始まった脱炭素の取り組み。
浸透にはまだ時間が必要
社内全体での脱炭素に関する温度感はいかがでしょうか?
岡本様
取り組みは始まったばかりですので、まだまだ社内浸透度は高いとは言えない状況です。しっかりと脱炭素の意義を説明することで、少しずつ理解は得られてきていますが、実際に導入するには費用面等の課題もあり、全てがスムーズに進むわけではありません。
木崎様
ビジネスとして見れば脱炭素にはどうしてもコストがかかるので、「カーボンニュートラルは本当にやらなければ駄目なのか?」という疑問の声が挙がってきます。今後、世界情勢は変化していきますので我々としても、その変化に対応していかないと波に乗り遅れる。そういったことを丁寧に説明し、社内で浸透を図っているところです。
岡本様
今後は様々な面でより大きなコストを要する可能性があるため、脱炭素に関する技術は早めに導入し、ビジネスにつなげた方が良い場合もあるということも説明しています。
カーボンニュートラルの必要性をしっかりと説明して、まずは社内の理解度の向上を進めている状況なのですね。
岡本様
CO2は化学的に安定した化合物ですので、化学的に変換して削減することが非常に難しいです。化学メーカーの社員として皆それが分かっているからこそ、脱炭素の難しさが先に見えてしまう面があります。ただし、難易度が高くとも削減しないといけない状況は変わらないため、そこから新しいビジネスを生み出すことの必要性を説いています。
木崎様
カーボンニュートラルは会社経営としてしっかりと推進していくという態度を社員に示しています。徐々に社員にもその意思が浸透しつつありますので、それをさらに広げていこうとしています。
実務経験のなかった新規ビジネスの創出についても、
実践的なワークで学べる
「カーボンニュートラル基礎講座」を受講してみて新しい気づきはありましたか?
木崎様
自分たちが事前に勉強してきた知識が講座でも出てきましたので、とても親しみやすい内容でした。また、自分で勉強しているだけでは知り得なかったことも多く学べました。例えば都市全体でカーボンニュートラルを推進している事例について印象に残っています。カーボンニュートラルについて隈なく知識を吸収できた点で有意義でした。
岡本様
「カーボンニュートラル基礎講座」を受講することで、自分の知識に濃淡があることが見えてきて、知っている分野と全く知らない分野の偏りを把握できました。私も木崎と同じく、様々な事例を学べた点は非常に有意義でした。
続いて受講いただいた「GXビジネスクリエイション講座BtoB編」はいかがでしたか?
木崎様
やはりビジネスを生み出すためのノウハウは聞く形式の講義だけでは分からないところがあります。この講座では、ワークを通して身をもってビジネスアイデアの創出について学べるので、より理解が深まったと思います。多くの事例を学ぶ中で、まったく関係ないような分野からでもグリーンビジネスにつなげられることを知り、とても刺激になりました。
岡本様
私はJNCに入社して7年目になりますが、これまでビジネスを一から創出する部署に在籍したことはありませんでした。「GXビジネスクリエイション講座BtoB編」を受講して、ビジネスプランを考える経験ができた点は新鮮でしたね。まず、脱炭素の実現に向けて政府が示す戦略を分析して、そこから自社の事業に落とし込んで考えるという講義のフローは、非常に分かりやすかったです。
御社がカーボンニュートラルを実現するにあたってのロードマップがあれば教えてください。
木崎様
まずは2030年に2013年度比でCO2(GHG)排出量を削減する必達の数値目標があります。具体的な削減のスケジュールなどは部署ごとにCN推進室と相互に調整しながら組み立てています。その後は最終目標である2050年のカーボンニュートラルを目指し、2030年以降はアクセルを踏み込んでさらなる削減に取り組んでいきます。
岡本様
各部署視点ではどうしても経済合理性の中で実現可能な動きしか取れなくなるものですので、大きくCO2を削減する新しい技術・設備の導入は、我々CN推進室が主導して各部署と連携して進めていければと考えています。
業界一丸で取り組むカーボンニュートラル
各部署のカーボンニュートラル担当者の育成などは、これから取り組まれる予定でしょうか?
木崎様
各拠点には推進担当者がいますので、まずはその担当者を育成していく計画を立てています。CN推進室と各拠点の推進担当者という形で社内全体の連携構築ができればと考えています。もちろん推進担当者以外の社員一人ひとりもカーボンニュートラルの重要性を理解していることは必須になってきます。
カーボンニュートラルに対する、化学業界全体の取り組みはいかがでしょうか。
岡本様
当社が所属する業界団体においても、カーボンニュートラルまでの具体的な目標数値を公表しています。業界全体としても、カーボンニュートラルについての対策は色々と進めている状況です。
木崎様
当社も個別に他社とコミュニケーションを取りながら、お互い良いものは共有したり、相互に取り組みを加速したりできればと考えています。
