伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

GXビジネスの強化に向けて、人材育成が喫緊の課題。リテラシーの向上を通じて段階的なGX人材の創出に尽力

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 GXビジネスの強化に向けて、人材育成が喫緊の課題。リテラシーの向上を通じて段階的なGX人材の創出に尽力
伊藤忠商事グループのIT企業で、お客様のITライフサイクルを支えるソリューションを提供する伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)様。これまで培ってきた気象データの解析・シミュレーション等における科学計算技術をもとに、GXの推進にも力を入れています。社内においてもGXに精通した人材を育成する動きが活発化するなか、今回スキルアップグリーンが提供する「カーボンニュートラル入門講座※」「カーボンニュートラル基礎講座※」「GX基礎講座(Sustana演習編、e-dash演習編)」「ビジネスクリエイションBtoB講座」を受講いただきました。そこで、科学システム本部 科学ビジネス企画推進部の早﨑様と佐藤様に、GXの取り組みを開始した背景や、今後の展望を伺いました。 (※現在は「GX入門講座」に統合)
  • 課題・背景
    お客様に対するGX関連のサービスを強化していくために、社員一人ひとりのGXリテラシーを向上させる
    GXソリューションの立ち上げ・展開のため、中核となる人材の育成のみならず社員のGXリテラシー向上が急務であった
  • 効果
    GXに対する基礎的な知識を付与することができ、今後のビジネス展開につながる一歩を進めることができた

GXビジネスを進めるカギは社員一人ひとりのリテラシー向上

早﨑様、佐藤様が所属するエンタープライズ事業グループ・科学システム本部の事業内容を教えてください。

早﨑様:

まず、エンタープライズ事業グループは、製造業、メディア、サービス、運輸、生活消費財、ライフサイエンス、ヘルスケア等の幅広い業界を担当している事業グループで、グループ総合力を活用したトータルソリューション(コンサル、製品販売、開発、保守、運用)を提供しています。その中で科学システム本部は、科学技術系のシミュレーションを強みとし、科学・工学分野における解析コンサルティングを含めた高い専門技術を提供している組織です。博士号や計算力学技術者1級、気象予報士などの資格を持った、専門性の高い人材が多数在籍している点が特徴です。シミュレーションやAI、解析技術などに関する多彩なテクノロジーと、エネルギーや建設、原子力、データサイエンスなど豊富な業界知識とをかけ合わせ、お客様に最適なソリューション(詳しくは、Trans Simulation: 課題をシミュレーションで解決へ導く情報サイトを参照)を提案しています。

近年、日本政府によって「グリーン成長戦略」が掲げられ、クリーンエネルギーの活用促進やデジタルインフラの脱炭素化などを通じた、産業構造・社会構造のイノベーションが求められている状況です。そのような中、当社が培ってきた知見やノウハウを活かし、GXの領域でもお客様に貢献できるよう基盤づくりを進めている最中です。

どのようなきっかけでGX関連のソリューション提供をスタートすることになったのでしょうか?

早﨑様:

当社自体、1990年代から気象データの解析、シミュレーションなどに関する研究を重ねていて、再生可能エネルギー発電事業者へのコンサルティングやシステム開発を行ってきました。そのような背景もあり、日本全体がGXの動きにシフトしていく機運が生まれてきたタイミングで、当社のITやシミュレーション技術の総合力を活かした貢献ができるのではないかという話が挙がってきたのです。実際にお客様から温室効果ガス(GHG)排出量データの見える化に関する相談を受ける機会が増えていたことも、GXビジネスの推進に舵を切るきっかけとなりました。

GX関連領域のサービスを推進するにあたり、障壁となった事柄はありましたか?また、その壁をどのように乗り越えましたか?

早﨑様:

サステナビリティに関する要望や業界動向について、社内で知見を持った人材が少なく、どのように人の育成を進めていくかが課題でした。したがって、当社では「GXビジネスの創出」や「ソリューションの開発」と並ぶ柱として、「人材育成」を1つの軸に据えています。具体的には、科学システム本部が所属するエンタープライズ事業グループの社員(約1100名)に対し、まずはGXに関するベーシックな知識やリテラシーを身に付けてもらうことが必要と考えました。

そこで現在、佐藤を中心に内部的な人材育成の取り組みを進めつつ、スキルアップグリーンのような外部のプログラムなども活用し、GXの知見をビジネスに活用できるレベルにまで引き上げる施策を推進しています。

GXを加速するためには「DX」が必要不可欠

スキルアップグリーンの各講座に対する印象を教えてください。

佐藤様:

以前、御社のディープラーニングやデータ活用に関する研修を受けたのですが、しっかりとした研修をされる会社だというイメージがあったため、GXに関する研修も用意されていることを知り、GX領域でも導入させていただくことに決めました。今回、「カーボンニュートラル入門」「カーボンニュートラル基礎」「GX基礎講座」「ビジネスクリエイションBtoB講座」の4つを受講しましたが、特に印象的だったのが「GXの前にDXがあり、DXがGXを加速する要素である」というお話です。当事業グループのメンバーも、これまでITを用いてビジネスを行ってきましたので、DXを使ってESGにどう関われるのかという点については、特に関心が強いテーマなのではないかと思います。

研修受講者はどのように選抜されたのですか?

佐藤様:

私や早崎をはじめとするGXを推進する企画部署と、製造業などのお客様を担当する営業部門からメンバーを選抜しました。営業部門のメンバーに関しては、各現場において今後GX領域を中心的に担ってほしいと期待されたメンバー、これまでGXに関連する案件に関わった経験のあるメンバーなど、受講者層はさまざまでした。

研修受講者からはどのような感想が挙がりましたか?

佐藤様:

「GXを扱うにあたって、必要な知識を体系的に吸収できたことが良かった」といった意見が多かったです。私自身も受講してみて、特に「カーボンニュートラル入門」などで学んだ知識は、GXに関わる全メンバーに知っておいてもらいたいと思うような内容でした。一方で、これまでGX関連の案件に直接関わっていないメンバーは、活用イメージが十分に湧いていないというコメントもあり、現場への落とし込みについては、十分に検討が必要なポイントであると感じました。

GXビジネスの成熟度を踏まえた人材体系の整備に注力したい

御社におけるGXの取り組みや人材育成に関して、今後の展望を教えてください。

早﨑様:

直近のニーズですと、温室効果ガス(GHG)やESGに関する「情報開示」やそれに対する効率化の案件が増えています。そのような案件に対応できる人を増やしていくことが、短期的な目標です。元々ITに強い人材が多いため、GHGに対する知見の付与を通してDX系の人材を強化することで、比較的早期に対応できるようになるのではないでしょうか。

情報開示の分野が確立できたら、次のステージとして「削減」に関する取り組みに尽力していく必要があります。中長期的には、再エネの活用や脱炭素燃料、EVなどの分野にも関わっていきたいですね。

ただ、そのためには、世の中の動向やビジネスの成熟度を見極めつつ、GXビジネスに求められる人材要件の整備や教育の体系化も進めていく必要があると考えています。引き続き御社のコンテンツなどを活用させていただきながら、人材の育成を強化していく予定です。

佐藤様:

一口にGXと言っても、どのようなビジネスに関わるかということによって、今後行うべき研修の内容が変わってくると思います。ベースとなる知識を踏まえ、CTCとして強みを発揮する部分を明確化しながら、さらなるリテラシーの底上げに力を入れていきたいですね。

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この事例で導入されたカリキュラム

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GX入門講座【GX検定 ベーシック対応】

【GXSS レベル1対応】知識0から学べるGXの入門講座です。日本初「環境省 脱炭素アドバイザー ベーシック」の認定を受けたGX検定 ベーシックに完全対応しています。

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GX基礎講座【e-dash演習編】

企業や自治体のGX推進担当者として必要十分な知識が得られるよう、GXの最新トレンドや実務で活用可能なレベルの知識を体系的に身につけられるように構成している講座です。

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GXビジネスクリエイション講座BtoB編

【GXSS レベル3対応】BtoB向けのGXビジネスクリエイション講座。自社ソリューションのポテンシャルを見極めつつ、具体的なカーボン削減効果を明示できるGXビジネスアイデアの作り方を学べます。

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研修を通してお客様との共通言語を獲得。GXの知識を、さまざまなビジネスやコミュニケーションに活かしたい

日本トムソン株式会社

社会全体への貢献を目指し、サプライヤーと連携したカーボンニュートラル施策を推し進めていく

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