企業におけるカーボンオフセットの取り組み事例10選!取り組むべき理由も解説
企業のカーボンニュートラルを実現する手段として注目されているカーボンオフセットですが、実際にどのような取り組みが行われているのかご存知でしょうか?
この記事では、企業におけるカーボンオフセットの取り組み事例10選を紹介しています。また、前提としてカーボンオフセットの概要や取り組むべき理由も解説しています。これからカーボンオフセットに取り組もうと考えている企業の方は、ぜひ参考にしてください。
そもそもカーボンオフセットとは?
そもそもカーボンオフセットは、温室効果ガスの排出量削減に努めた上で、やむを得ず排出される温室効果ガスを埋め合わせる取り組みです。
例えば、ある企業または団体が森林保全活動を行っていたとします。その活動に投資することで、森林のCO2吸収量が増えます。その増加した分の吸収量を、自社の温室効果ガス排出量と相殺できるのです。
詳しくは以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
カーボンオフセットとは|カーボンニュートラルとの違いや問題点、取り組み事例をわかりやすく解説
企業がカーボンオフセットに取り組むべき理由
企業がカーボンオフセットに取り組まなければならない理由として、地球温暖化の問題が挙げられます。地球温暖化の問題は年々深刻になっており、全世界一丸となって温室効果ガスの排出量削減に取り組んでいる状況です。
そして、主な温室効果ガスの排出源となっているのが企業です。ただし、企業の中には、温室効果ガスの排出量削減に取り組んでも実現が難しい業界があります。
そこで、温室効果ガスの排出量削減や吸収量の増加に取り組める企業に投資することで、各企業が協力しながらカーボンニュートラルを実現できるのです。
また、カーボンオフセットに取り組むことで企業の評価が高まり、消費者や投資家に対して競合他社と差別化できる効果も期待できます。
企業におけるカーボンオフセットの取り組み事例10選
では実際に企業でどのような取り組みが行われているのか、環境省の資料を参考にして事例を紹介していきます。
1.キヤノン
キヤノンは、主に以下2つの工程で排出されるCO2のカーボンオフセットに取り組んでいます。
- 再生複合機「Refreshedシリーズ」製造段階で排出されるCO2(1台約120kg-CO2)
- 使用済みトナーカートリッジ、インクカートリッジ回収輸送時にトラックから排出されるCO2
2.ローソン
ローソンは排出権付き飲料を販売し、お客さまの生活から排出されるCO2量の一部(1本につき1kg-CO2又は500g-CO2)のカーボンオフセットを実現しました。累計参加者は1,350万人、12,359トンの削減につながっています。
3.LINEヤフー
Yahoo!では、ユーザー自身が設定した活動に係る排出量を購入できる取り組みを実施しています。さらに、LINEヤフー株式会社のオフィスおよびデータセンターで使用したエネルギーによって排出されるCO2排出量のオフセットにも取り組んでいます。
4.ファミリーマート
ファミリーマートでは、環境配慮型プライベートブランド「We Love Green」を展開しています。そして、本ブランド商品の原料から製造、廃棄までに排出される239トンのCO2のオフセットを実施しました。
5.住友林業
住友林業では、戸建住宅建築に伴うCO2排出量をインドネシアで植林することによりオフセットしています。他社に頼らずに自社でカーボンオフセットを実現している事例です。
6.山崎製パン
山崎製パンでは、期間中の対象製品約218万7千個(食パン1個約270g-CO2、菓子パン1個約125g-CO2と仮定)の製造にかかるCO2排出量275トンの一部をオフセットしています。
7.モンテローザ
モンテローザは、カクテル購入者の自己活動の一部(1杯購入につき1㎏のCO2、計60トンCO2)のオフセットを実現しました。また、森林保全活動を行い、自社でも温室効果ガスの吸収量を増加させる取り組みを実施しています。
8.ANA
ANAでは、プロペラ機材・提携航空会社の機材以外の便に搭乗した旅客が、航空便利用にて排出したCO2排出量を購入できる取り組みを実施しています。一口(500円)につき、60Kg-CO2をオフセットできる面白い取り組みです。
9.エスパルス
清水エスパルスでは、アウスタ日本平で行うホームゲーム開催(年間約20試合)により排出される約350トンのCO2のオフセットを実施しました。
10.東北夏祭りネットワーク
東北夏祭りネットワークは、東北6県で行われる夏祭りの開催に伴う電力・燃料使用によるCO2排出量のオフセットに取り組んでいます。各祭りの平均参加者数は106万人であり、大きな効果が期待されます。
まとめ
この記事では、カーボンオフセットの概要や企業が取り組むべき理由、そして実際の取り組み事例10選を紹介しました。
カーボンオフセットは多くの企業や団体で取り組まれており、注目も高まっています。カーボンオフセットに取り組むことで、地球温暖化の問題解決に貢献できるだけでなく、消費者や投資から評価を得ることにもつながります。
これからカーボンオフセットに取り組もうと考えている企業の方は、ぜひこの記事で紹介した事例を参考にして、できることから始めてみてはいかがでしょうか?
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